台風19号の豪雨で流れ着いた意外な生き物

 10月12〜13日に日本列島を襲った台風19号。史上最大級の豪雨により多くの河川が氾濫し、各地に甚大な水害をもたらしている。被災地では上流から押し流されてきた土砂やがれき、流木などが被災者を悩ませているが、中には意外なものも流れ着いているという。

「亀です。台風一過、自宅や近所で発見したという書き込みがネットにも散見されます。埼玉ではペットとして飼うレベルのサイズではないほど大きいものがいたとか」(週刊誌記者)

 地名に“亀”がつく土地では浸水の歴史を示すケースもあるという。一般に、亀は長寿や幸運の象徴とされるが、大きな亀が流れ着くのは決して喜ぶべきことではないそうだ。

「日本の固有種であるニホンイシガメは大きくても甲長が22センチ以下。それに対して外来種のアカミミガメは30センチ前後に成長する個体が多く、なかでもミシシッピアカミミガメは『日本の侵略的外来種ワースト100』に選ばれています。これら大型の個体はほとんどが棄てられたり逃げ出したペットが野生化したもの。テレビ番組『池の水ぜんぶ抜く』(テレビ東京系)でも、環境に悪影響を及ぼす外来種として隔離されるシーンがおなじみです。ゆえに30センチ級の大きな亀が流れ着くのは、飼っていたものが流されたものではないとすれば、マナーを守らない飼い主がいたことを示しています」(前出・週刊誌記者)

 人間に勝手に連れられてきた亀には何の罪もない。棄てられたあげくに豪雨で流され、下流でも厄介者扱いされるとは、なんとも不憫な話ではないだろうか。

(北野大知)

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