台風19号をめぐる避難所の対応について持ち上がった「2つの問題」

 日本列島に大きな被害の爪痕を残した台風19号。各地で多くの住民が避難所への緊急避難を余儀なくされ、今なお帰宅できない人も多い。そんな中、避難所にまつわる課題が議論になったケースが2つあった。

 まずはペットの受け入れ問題。メンタリストのDaiGoは10月15日に自身のツイッターで、こんな疑問を投げかけた。

〈今回の台風の避難について、ペットが多くの避難所で断られることが理解できない。大切な家族を見捨てて避難なんてできるわけないだろう。少なくとも赤の他人の命より、動物だとしても家族の命の方を優先するのは理解できる。ペット受け入れ可にすれば住民の避難はもっと迅速になったはず〉

 DaiGoはさらに〈ホームレスの受け入れ拒否が批判されるなら、ペット受け入れ拒否も批判されるべきだと思う。何度も言うが、人間の命の方が重いなんて綺麗事だ。家族の命の重さなら、ヒトも動物も関係ない〉と、避難所が路上生活者の受け入れを拒否したニュースを引き合いに出し、問題提起した。

 DaiGoのツイートにネットでは《猫を飼っているので避難所へ行くのは諦めました。幸い家に被害はなかったけど、もしかしたら自分も猫も助からなかったかも》《避難所には動物アレルギーの人や犬に噛まれてトラウマになっている人もいるかもしれない。そんな場所にペットを連れていくのは問題ありそう》《ペットの命も人間と同じって、この場合そっちの方がきれい事だと思う》など、様々な意見が寄せられている。

 またDaiGoのツイートにもあった、東京都台東区の避難所が、住所のある住民だけを対象にしていることを理由にホームレス男性2名の受け入れを拒否した問題では、16日に放送された「バイキング」(フジテレビ系)でのお笑いコンビ・おぎやはぎの発言が物議を醸した。小木博明は「来ている方たちは嫌ですよ。ホームレスの人が来てもらっちゃったら。怖いじゃない、何されるか分からないし」と拒否反応を示し、相方の矢作兼も「臭いとか気になるかもしれないし、『ちょっと悪いけど、別のところで』とか考えちゃう」と同調。

 他の出演者からは2人の意見に否定的な反応がほとんどだったが、小木はさらに「(避難所は)プライベートもないし、自分のグレード下げるわけじゃないですか。今までのレベルからね。でもホームレスの方は、逆にアップグレードするわけじゃないですか、そこから」「それなんかずるくない?ってなっちゃわない?今まで屋根のないところに住んでいたのが、急に災害となったら屋根がある」と持論が止まらなかった。

「プライバシーのない避難所で過ごしていると、人はどんどん追い込まれて極端な考えになりがちです。他者に対して排他的になることもそう。確かにアレルギーや衛生問題は存在しますので、それらをどう解決して皆が安心して避難所を使えるようにするにはどうすればいいのか、それを考えるのは行政や政治の役目。誰もが他者に対して寛容でいられるような環境づくりを目指してほしいものです」(災害対策関係者)

 地球規模での気候変動により、台風19号のような規模の災害は、もはや何十年に一度のものではなくなったいま、避難所対策も待ったなしの問題と言えよう。

(石見剣)

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