【今回のお値段「結婚式の司会と余興」:一般的に司会者本人2万~4万円(クライアント支払い7万~10万円)】
コロナ以降、ホテルで行う大きな結婚式は減ってきているとはいえ、やはり人生の門出、レストランやバーなどでのこぢんまりとしたウエディングパーティーは増加傾向にあるとも。司会者も、新郎新婦の友人などが務めるケースも多いものの、やはりプロを呼ぶのも少なくない。ある業界関係者によれば、
「おおまかに言って、司会者にも3通りありますね。1つは完全フリーで、自分自身で結婚式場や、クライアントである新郎新婦らから直接仕事をもらうタイプ。1つはある特定の事務所に所属して、そこからの仕事だけをやるタイプ。3つ目が、結婚式場に出入りしている派遣業者にいくつか登録して、その仕事を引き受けるタイプ。どちらかといえば登録タイプが多いでしょうか」
フリーは中抜きなしでギャラがもらえるメリットがある代わりに、なかなか仕事を見つけるのが難しい。特定の事務所所属は安定して仕事が入るものの、安い給料で数多く回数をこなしていかなくてはならない厳しさがある。
では派遣業者経由の仕事だと、ギャラはどれくらいになるのか? 最も一般的な相場だと、クライアントがウエディングパックの中で7万~10万円くらいの司会料金を式場に払うと、6万~7万円くらいが派遣業者に入り、司会者本人には2万~4万円くらいが渡る。これが、元キー局アナウンサーのような知名度のある人なら、派遣会社は30万~40万円もらって、本人に20万~30万円、なんてこともある。また、落語家を呼び、司会だけでなく、余興で一席、なんて場合は、本人に司会料5万円プラス余興料5万円、ということもある。
また、その余興だが、前出・業界関係者によれば、
「意外に、まだ需要はありますね。傾向としては、これは結婚式に限らないんですが、強いのはモノマネ芸人。ジャグリング、コマ回しのような大道芸、それにマジック、イリュージョン系も喜ばれます。カネは高くてもいいからとにかく有名人を呼んでくれ、というオファーもあります」
そこそこ名前を知られたお笑い芸人を呼ぼうとすれば、まずクライアントが出すのが30万~40万として、派遣会社は20万~30万円を受け取り、芸人本人には10万~20万円くらいとか。ただし、その芸人が大手事務所に所属していたりすると、さらにその大手が10万円以上抜いて、本人には5万円しか渡らなかったりもありうる。だから芸人は〝闇営業〟に走りがちなのだ。
派遣会社は、式場と出演者の双方にパイプがあれば経費はあまりかからない。割とオイシいビジネスかもしれない!
山中伊知郎(やまなか・いちろう)かつてお笑い芸人を集めたプロダクションをやろうとしたことがあったが、事務所代などの経費ばかりがかさんで年間数百万の赤字を出し、3年余りで挫折。