11月21日のビデオ演説で、ウクライナ東部ドニプロに向けて発射したミサイルが、新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシュニク」だったことを発表したロシアのプーチン大統領。
もちろん、この新ミサイル発射は、19日にロシア西部に撃ち込まれた米国製地対地ミサイル「ATACMS」及び、英国の長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」への対抗措置だが、ビデオ演説の中でプーチン氏はミサイル配備について、「米国とその衛星国の行動に応じて決定する。地域紛争は世界的な性質を帯びた」と西側を改めて警告する形になった。
専門家によれば、今回発射された「オレシュニク」は多弾頭ミサイルで、迎撃することは可能。しかし現時点でウクライナ側は同ミサイルに対応できる防空システムを保有していないため、ゼレンスキー大統領は支援国に対し早急な「防空システム」開発を要請しているようだが、極めてコストが高くつくため、簡単に実現するかは不透明な状況だという。
一方、コストと言えば、ロシア軍に大量の兵士を派兵している北朝鮮が、わずか数十万円の低価格でレーダー探知が困難な「段ボール製自爆ドローン」を開発したとして話題になっている。21日付の朝鮮中央通信によれば、北朝鮮は平壌で武力装備展示会「国防発展2024」を開催。この日は最小6種類の小型無人機がお披露目されたというのだが、
「この自爆ドローンに関しては以前からモザイクを入れた形で紹介されていたようですが、今回はモザイク処理なしでの写真公開となったようです。公開資料を分析した韓国議員によれば、このドローンは段ボール製で、翼と胴体を固定するゴムひもが確認できたという。実は段ボール製ドローンは、すでにウクライナ軍が前線で使用しており、ロシア軍の戦闘機に損害を与えたとも報じられている。機体が段ボールなのでコスパが良く、今回の北朝鮮製は1機あたりで数百万ウォン(数十万円)とか。それでいて、威力は通常の自爆ドローンとさほど変わらないと言われていますから、北朝鮮製といえどバカにはできない。これが大量生産されロシア軍に供給されれば、新型ミサイル『オレシュニク』と並びウクライナにとって脅威になることは間違いないでしょう」(北朝鮮問題に詳しいジャーナリスト)
前出の韓国議員によると、この自爆ドローンの飛行距離を約1000キロ。しかも分析では「対空レーダー無力化に向けた自爆ドローンとして開発されたと推定する」とのことで、今後ウクライナ軍はロシアの新ミサイルに加え、コスパ最強のドローンを迎え撃つことになりそうだ。
小競り合いが「第三次世界大戦」に発展しないことを祈るばかりだ。
(灯倫太郎)