小泉進次郎元環境相の自民党総裁選出馬をめぐり、元NHK政治記者でジャーナリストの岩田明子氏の発言が永田町で大いに注目を浴びている。自民党関係者が言う。
「今回の自民党総裁選の大きな焦点は岸田首相再選の夢を断ち切った『裏金問題』だ。新たな総裁候補がこの問題にどれだけ大胆に切り込めるかが総裁選の行方、その後に控える総選挙を左右するとも言われている。そのため総裁選に出馬する石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相が相次いで裏金問題に果敢に切り込んだが、安倍派を中心にした『裏金議員』らの猛反発を食らいトーンダウン、もしくは腰が引けた状態になっている」
例えば石破氏は出馬宣言の記者会見で「裏金議員は次の選挙で非公認」を匂わせたが裏金議員らからの猛反発でトーンダウン。河野デジタル相は「裏金返還」を唱えたが「誰にどう返すのか」「一度結論が出たものをぶり返して問題にするのはおかしい」などと、こちらも猛批判を食らってアタフタしている。
そんな最中、岩田氏が8月28日、フジテレビの情報番組「めざまし8」に電話出演し「石破さんも河野さんも裏金問題への覚悟を示したら炎上してしまった」と述べた上で、小泉氏の裏金問題対応については「事の重大さに照らして、相当、自民党を変えるんだという覚悟をかなり強く強調するのでは」と自信たっぷりの推測をして注目されているのだ。政治部記者が明かす。
「岩田氏といえばNHK時代、安倍元首相の懐にガッツリ食い込み数々のスクープをものにしてきた敏腕記者。その岩田氏が今度は小泉氏をターゲットに『裏金問題で大胆な提言がある』と断定しているということは、何か小泉氏本人か小泉氏側近から確信的情報を得たからだと思う」
小泉氏といえば、今回の総裁選において森喜朗元首相と菅義偉元首相という自民党2大ボスからバックアップされているともっぱらだ。そのため、すでに立候補に必要な推薦議員20人の倍近い40人近くを集めたとも言われている。しかし、その半数以上は裏金問題の元凶となった旧安倍派議員で、裏金にからんだ議員も多数いるという。それだけに裏金問題で石破氏のように「非公認」をちらつかせたり、河野氏のような「返金」発言をすれば、それこそ炎上どころか出馬もおぼつかなくなる可能性もある。そんな状況下で岩田氏が、裏金問題で小泉氏が大胆な提言するというのはどういうことなのか、とガゼン注目されているのである。
自民党関係者もこう言う。
「岩田氏は夕刊紙でも、小泉陣営が出馬にあたっての公約として『憲法改正』『安定的皇位継承』を打ち出すとも断言していて、今回の『裏金問題で大胆提言』も含めると相当、小泉氏に食い込んでいる。岩田氏はそれだけ小泉氏がポスト岸田にもっとも近いと見ているのだろう」
いずれにしても小泉氏が「裏金問題」についてどういう提言をするのか、永田町のみならず日本国民の注目が集まる。それが期待外れなら小泉氏の失速は必至だ。
(田村建光)
