「平均年俸ランキング10位」広島カープを首位独走させる“ビジターでも凄い”ファンの熱気の根源

 プロ野球セ・リーグ首位攻防戦の第1ラウンド(8月20日=東京ドーム)は、首位の広島が8-4と巨人に快勝した。

 広島・新井貴浩監督は「いい試合をしてくれました。今後もしっかり準備をしていくだけです」とコメント。一方の巨人は優勝に向けた天王山とあって長嶋茂雄終身名誉監督が激励に訪れ、お馴染みの「勝つ!勝つ!勝つ!」3連発で気合を入れていたが効果はナシ。試合後、阿部慎之助監督は「残念すぎる試合、申し訳なかったです。以上」と悔しさを滲ませていた。

 それにしても、東京ドームでの首位攻防戦にもかかわらず、この日のスタンドは広島のチームカラー「赤」が目立ち、大盛り上がり。広島が優勝争いに絡んでくると特に、ビジターであってもホームチームの応援を圧倒するほどの“熱気”が漂う。

「広島はセ・パ12球団の今季の選手平均年俸ランキングでは10位(3881万円)で、2位の巨人(6243万円)とはかなりの差がありますが、1975年の奇跡の初優勝から45年連続で黒字経営を続けていました。コロナ禍の中、2020年決算ではついに赤字に転落しましたが、その後、22年にMLBカブスに移籍した鈴木誠也の譲渡金(約17億2000万円)によりこれを解消。全球団の中でもダントツの健全経営を継続しています。しかも鈴木の譲渡金も使い、地元ばかりではなくキャンプ地の宮崎県日南市、沖縄県沖縄市にも寄付をしている。他球団では考えられません」(夕刊紙記者)

 こうした金満とは真逆の地域貢献ぶりが、全国に熱いファンを作る。巨人との3連戦で3タテすれば「マジック30」が点灯するが、スタンドの声援が後押しすることは間違いない。

(小田龍司)

スポーツ