台湾は乗り鉄天国!? 1日3500円で新幹線に乗り放題の最強きっぷとは

 現在販売中の「青春18きっぷ」は、JR各社の快速・普通列車1日乗り放題×5回分で1万2050円。この夏も大勢の利用客が見込まれているが、お隣・台湾では同きっぷを上回るコスパ最強の乗り放題きっぷが販売されている。

 例えば、台北市内の南港駅と高雄郊外の左営駅の約340㎞を結ぶ、台湾新幹線が3日間乗り放題の「台湾高鉄3日パス」は2200台湾ドル(約1万670円)。1日あたり3500円弱で乗り放題と日本ではありえない価格設定だ。

 また、台湾は日本と違って在来線は別会社の運営だが、期間中は特急に相当する「自強号」以下の列車に加え、うち2日間は新幹線も乗り放題となる「特級5日間ジョイントパス」は3600台湾ドル(約1万7460円)。急行に相当する「莒光号」以下に乗車可能な「標準5日間ジョイントパス」は2800台湾ドル(約1万3580円)とこちらもお得だ。

 日本の場合、青春18きっぷは新幹線も特急も乗車不可。JR東日本では1月14日~2月末まで新幹線・特急が1日乗り放題の「旅せよ平日!JR東日本たびキュン早割パス」を販売したが、こちらは1万円。しかも、同パスは指定席が2回までとのルールがあったが、台湾の乗り放題きっぷには上限が設定されていない。

 物価は台湾のほうが日本よりまだ若干安いとはいえ、それでも明らかに安すぎる。九州よりやや小さい台湾は島の周囲を鉄道が走っており、新幹線と特急を乗り継げば1日で一周することも可能だ。

 昨年、記者は標準5日間ジョイントパスを利用して台湾を旅行。特急に乗れないきっぷだったが、逆に時間をかけてゆっくりと台湾を一周することができた。特に台東から南の区間は車窓から美しい海が広がる絶景区間。さらに主要駅では駅弁も販売されており、日本統治時代に建てられた駅も多い。路線数は少ないがローカル線もあり、現地でも絶滅危惧種だが夜行列車も週末限定で運行している。

 実は、鉄道を使えば安く効率よく旅行が楽しめる台湾。乗り鉄には天国のような国だが、ごく普通の観光客にも台湾の鉄道旅をオススメしたい。

(高島昌俊)

※写真は左営駅に停車中の台湾新幹線。

ライフ