プロ野球は6日21日から再開するが、前日には阿部巨人の“困った時のミスター頼み”があった。東京ドームでの1軍全体練習に長嶋茂雄終身名誉監督が電撃訪問したのだ。
「本当に突然でした。他の場所で取材していた担当記者も急遽、東京ドームに駆けつけたんです」(夕刊紙記者)
巨人は開幕からまずまずのスタートを切っていたが、セ・パ交流戦は8勝9敗1分で終わり、2年ぶりの負け越し。息切れモードになった最大の原因は何といっても“貧打”で、長嶋氏の自らの打撃指導に、スランプに苦しむ岡本和真も「だいぶ良くなっていると言われました。すごいありがたいです」と感激の面持ちだった。
長嶋氏は88歳。20年前に脳梗塞で倒れ、22年には自宅で倒れた際に脳出血を起こして1年半の入院生活を送った。阿部巨人になってからは電撃訪問が目立ち、昨年11月のファン感謝デーは入院先から東京ドームにやってきた。
「長嶋さんは『巨人の監督はとにかく孤独なんだ。阿部に重圧を与えないようやらせてあげたい』と話しているという。巨人といえば大型補強がお家芸でしたが、阿部監督は“脱・原野球”を意識してか、結果的に補強らしい補強を一切行わなかった。そんな中で岡本が完全にブレーキとなれば、チームの停滞は目に見えている。長嶋さんの今回の岡本への指導には、阿部監督のまさに神にもすがる思いが込められているのでしょう」
ミスターにおんぶに抱っこの状況は今季も相変わらずだ。
(小田龍司)