暗号資産交換業者「DMMビットコイン」は、5月31日に約482億円相当のビットコイン(4502.9BTC)が不正に流出したと発表した。なお、顧客から流出したものについてはグループ会社からの支援のもと調達をおこない全額保証するというが、《不正流用によってビットコイン自体の価値が下がるのでは?》と心配する声もある。
「同社によると、同13時26分ごろに不正流出を検知したといい、すでに対策は実施しているそうですが、新規口座開設の審査や暗号資産の出庫処理、現物取引の買い注文を停止、レバレッジ取引の新規建玉注文を停止といったサービスの利用を制限しました。原因については調査中としていますが、仮想通貨分析会社などはハッキングによって盗まれた可能性が高いとの見方を示していて、すでに警察も捜査に乗り出している状況です」(社会部記者)
昨年3月にはフリマアプリ「メルカリ」がビットコイン取引サービスを開始し、わずか1年で利用者数は200万人超えを果たすなど日本国内でも幅広い層が取引に参加しているため、ネット上には今回の流出によって暴落が起きることを心配する声も寄せられている。実際、2014年にマウントゴックス社から約470億円相当のビットコインがハッキングによって流出したことが明らかになった際には、信用やイメージの低下によって一時的に価格が暴落する事態も起きているのだ。
「ただ、その後、事件の詳細が明らかになるにつれて、流出はマウントゴックス社の管理体制に問題があったことが分かり、ビットコインの仕組みや安全性には問題がなかったことから、むしろ価格は上昇していきました。また、21年にはエルサルバトルがビットコインを法定通貨に導入するなど、通貨としての信用も高まってきていて、基本的に暗号資産の不正流出は交換業者の管理問題と捉えられているので、値動きにそこまで大きな影響を与えることはないと考えられます」(仮想通貨アナリスト)
なお、今回の不正流出は仮想通貨ハッキングとしては史上7番目の規模となるが、6月5日現在でもビットコインの価格に大きな変動は出ていない。