大谷翔平選手が所属する米ドジャースの本拠地ドジャー・スタジアムに出店したことでも話題となっている「築地銀だこ」を運営するホットランドの子会社が、新業態「純喫茶 ロビンソン」をオープンする。昭和レトロをコンセプトにした喫茶店になるというが、純喫茶ファンからは意外なリアクションが相次いでいる。
「ロビンソンの1号店は、ホットランドの創業の地である群馬県桐生市に6月1日オープンします。『レモンスカッシュ』や『ロビンソン特製プリン』『あんみつパフェ』など昔懐かしい喫茶メニューを取り揃え、老若男女幅広い層から受け入れられる店を目指すといいます。店構えも昔ながらのつくりで、店頭には昭和レトロな商品サンプルも並べられ、まさに純喫茶といったスタイルになっているのです」(グルメライター)
ここ数年、Z世代を中心に昭和レトロブームが巻き起こっていて、その中でも特に人気が高いのが昭和レトロな店舗の“純喫茶”だ。今の時代とは違った店のつくりやカラフルなメニューの数々が“エモい”と大人気になっていて、ハンバーガーチェーン大手の「マクドナルド」も純喫茶を意識した昭和レトロなメニュー「喫茶マック」を期間限定で発売するほど。
「ロビンソンは盛り上がる純喫茶需要を取り込みたい狙いがあるとみられていますが、意外にも長年の純喫茶のファンからすると、あまり喜べないところもあるようです。というのも、東京商工リサーチによると喫茶店の休廃業・解散は2021年に100件にのぼり、過去最多を記録しました。この30年で店舗数は半減するなど、業界自体が右肩下がりではあるのですが、特に絶滅が危惧されているのが純喫茶なのです。店舗の老朽化や経営者の高齢化などもあって、同じ客層を取り合うことで売上が減少すれば、閉店を選ばざるを得ないところも出てきてしまいますからね。ファンとしては、昔から営業を続ける本物の純喫茶を応援したいのは当然ではないでしょうか」(フリージャーナリスト)
ロビンソンは純喫茶を継承する存在になるのか、それとも破壊する存在になるのか…。
(小林洋三)
※写真はイメージ