北海道の猟友会が「やってられない」激怒! 命がけの「クマ駆除」の安すぎる報酬問題

 下手をすれば命を落としかねないクマの駆除。その報酬をめぐり、北海道空知郡奈井江町では地元の猟友会と町が“バトル”を繰り広げている。

 5月21日に更新されたHTB北海道テレビの公式サイト「HTB online」によると、北海道猟友会砂川支部奈井江部会は、町からクマの駆除の要請を受けても参加しない方針を明らかにしたという。理由は報酬額の少なさだ。町から提示された日当は8500円。発砲した場合は1800円が加算され、最大で1万300円。同部会長は「やっぱり、ヒグマは相手が違う。鉄砲を持っているからって、米軍の特殊部隊を相手にするようなもんだよ。この条件ではちょっとやってられない」「高校生のコンビニのバイトみたいな金額でやれ。ハンター、バカにしてない?って話ですよ」と怒りをあらわにした。奈井江町は「予算がありません」と、両者の言い分は平行線を辿っている。

 同じ道内でも幌加内町では1日1万5000円、札幌市は出動で1回2万5300円、捕獲・運搬した場合は3万6300円。紋別市では、クマ一頭につき5万円の補助金が支払われる。

 クマの駆除における報酬適正額は今後も議論の余地はあるが、例えば噛まれたら猛毒によって命を落とす危険性もある「ハブ駆除」の報酬はどうなっているのか。

「ハブが生息する沖縄県では、住民が駆除したハブを1匹1000~3000円で買い取る自治体もあると、2017年9月の『沖縄タイムス』電子版が報じています。それよりも低く、今帰仁村では1匹につき500円。鹿児島県の奄美群島にもハブは生息していますが、こちらでは1匹3000円で自治体が買い取ってくれます。奄美群島では、農家の人など日常的にハブに遭遇する可能性の高い人たちは、ハブを捕まえる棒や、捕まえたハブを入れる箱を常備しているといいます。単純にクマと比較することはできませんが、生息数が多いせいか、ハブの買い取り額も安いような気がします」(週刊誌記者)

 命がけの作業にしては、やはり少し安いのでは?

(石田英明)

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