うなるクマを返り討ち!バカ売れ「クマ撃退スプレー」の実力

 全国でクマに襲われる被害が相次いでいる。8日には岩手県八幡平市の山林でイノシシの罠を確認していた71歳の男性が、クマに襲われ顔や背中にケガをした。岩手県内では7日までに44人がクマに襲われており、自治体は注意を呼びかけている。

 また、島根県浜田市では7日、林道で測量を行っていた作業員がクマと遭遇。うなり声をあげるクマに作業員は「クマ撃退スプレー」で対応し、ケガはなかったという。

 クマ撃退スプレーの効果が証明された事例といえるが、いざというときのために今、クマ撃退スプレーの需要が急激に伸びているという。

 アマゾンでは8300円のクマ撃退スプレーがこの1ヵ月で2000点以上も購入されてベストセラーになっている。一部のメーカーでは品薄状態となっており、注文の受付を中止しているケースもあるようだ。以前は登山者の購入が多かったが、今年は一般の人からの注文が相次いでいるというのも特徴的だ。また、撃退スプレーが品薄になっていることから、新たに注目されているのが“パウダーガン”だ。

「パウダーガンは長さ40センチほどの筒状の形をしており、レバーを引くと唐辛子などの香辛料入りの粉末剤が10メートルほど先まで噴射されます。ほかにもオークションサイトでは、唐辛子成分の害獣忌避剤を濃縮した原液が1000円程度で出品されており、こちらも爆売れしているようですね。水やアルコールなどで希釈してスプレーボトルなどに移し替えて携帯するといいますが、いずれにしても、突然クマが襲ってきたときに、とっさに命中させられなければ意味がありません。事前に練習が必要かもしれませんね」(情報誌ライター)

 スプレーなどクマ撃退用のグッズを携帯しておけば、手ぶらよりは安心感を得られるが、確認しなければいけないのは“風向き”だ。焦って風下から噴射すると自分にかかってしまうため要注意。また、クマ撃退スプレーの噴射力はせいぜい5メートル程度なので、至近距離で噴射してもクマの攻撃をどれだけ避けられるかは未知数だ。

 クマ撃退スプレーはあくまでも最終手段と考え、むやみに山に近づかないようにするのが一番だろう。

(ケン高田)

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