「ドミノ・ピザ」が山形から完全撤退 巣ごもり需要終了で宅配ピザは壊滅に向かっているのか

 宅配ピザチェーン「ドミノ・ピザ」の山形県にある店舗が次々と閉店し、同県の店舗数がついにゼロになったという。昨年は宅配ピザ店の倒産が過去最多を記録。最大手の突然の完全撤退に山形県民からは驚きの声が相次いでいるが、今後はさらにピザ店が減少していく地域も多いかもしれない。

「山形県では、ドミノ・ピザの『山形南館店』『酒田山居町店』『米沢金池5丁目店』の3店舗が直近まで営業していましたが、それぞれの店舗が閉店しているとの報告がSNSに相次ぎました。公式サイトを確認すると3店舗については『臨時休業』と表示されていますが、店頭では閉店を知らせる張り紙が確認されています。3店舗は5月19日までに閉店したそうですが、事前情報がまったくない突然のことだったので、山形県内では衝撃が走っているようです。なお、SNSでは山形県以外のドミノ・ピザの閉店の報告も数多く寄せられています」(ネットライター)

 東京商工リサーチの報告によると、宅配ピザ店は昨年1月から11月の時点で13件が倒産し、過去最多になったことが分かっている。同業態はコロナ禍の巣ごもり需要から売上を大きく伸ばしたが、コロナが5類に移行したことで急激なフードデリバリー離れが起き、原材料や人件費高騰の影響も受け倒産が急増したとみられている。今回のドミノ・ピザの山形からの完全撤退は、引き続き宅配ピザ業界が厳しい状態にあることを感じさせる。

「コロナ禍に多くの人が利用したことから、ピザに対して一時的な飽きがきていると指摘する意見もありますが、タウンページデータベースによるピザ店の登録件数は2013年以降は右肩下がりで、22年までの10年間で実に500件以上も減少しています。22年のデータでは鳥取県にはピザ店が8店舗しかなく、秋田、山梨、島根なども20店舗以下という状況ですから、コロナ禍に急加熱したピザ需要がしぼんだ今、県内からピザ店が消えるなんてところも出てくる可能性もないとは言い切れません」(経済ジャーナリスト)

 ドミノ・ピザは2033年までに国内店舗数を現在の2倍である2000店舗まで拡大するとしているが、果たしてその目標は達成されるのだろうか?

(小林洋三)

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