バカ高「新型iPad」にケンカを売った中国「Appleキラー」の価格と性能

 アップルの新型「iPad Pro」「iPad Air」が5月15日に発売された。

 初代iPadから14年。「iPad Pro」はM4チップを搭載してフルモデルチェンジ。一方の「iPad Air」は11インチモデルに加え、13インチモデルも登場し、そこにほんの半年ほど前まで、MacBook AirやMacBook Proにも使われていたM2チップを搭載。「大画面は欲しいけれどProでなくてもいい」という人にはピッタリだ。

 iPadはこれまで新製品が発表されるや、たちまち購入者が殺到し、実際に商品を手に入れるまで数週間から1ヵ月くらいかかることもザラだった。ところが今回は出遅れてしまった人も余裕で購入できることができそうだ。理由はフル装備で50万円近い強気の価格にある。

 円安の影響もあるが、今回のProの全部のせ構成に、ペンやキーボード、AppleCare+などを加えると総額は46万9600円と驚きの価格になる。さすがにタブレットでこの価格だと、おいそれと購入することはできないだろう。それではと、Airにグレードダウンしたとしても20万円近くするのだから、もはや高嶺の花といっていい。

 そんな中、「iPadキラー」としてにわかに注目を集めているのが、Xiaomi(シャオミ)が9日に発表した「Pad 6S Pro 12.4」だ。こちらはAndroidタブレットとしては貴重な大型ディスプレイと、2023年のフラッグシップスマートフォン並みの高パフォーマンスSoCを搭載しながらも、価格は8GB/256GBモデルが6万9800円、12GB/512GBモデルが8万4800円と驚きのプライスを実現している。

 ガジェットライターが語る。

「シャオミの公式Xでは『20万円も必要ですか?』と、製品の名前こそ出さなかったものの煽るような文面をアップ。もちろんこれがiPadを指しているのは言うまでもありません。性能はAirを超えProに迫る勢いながら、価格は半値から3分の1程度です。Android機に慣れている人ならば、すぐに使いこなせるでしょう。これまでアップル信者だったファンも相当数流れているようです」

 聞き慣れないメーカーと思うだろうが、シャオミは中国の北京に本社を置く総合家電メーカーで、2020年の売上高は4兆1000億円にものぼる。中国国内ではサムスン、レノボに続く3位で、すでにアップルを抜いているのだ。近年はauやソフトバンク、楽天モバイル向けにスマホを販売しているので、日本でも徐々に認知度を高めている。

 まさに「iPadキラー」ともいえる「Pad 6S Pro」。どうやら悩ましい選択肢がひとつ増えたようだ。

(ケン高田)

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