Appleの“謎多き”ゴーグル型デバイス「Vision Pro」50万円は売れるのか

 米Appleはヘッドセット型デバイス「Vision Pro」を2月2日に米国で発売すると発表した。iPhoneやAppleWatchなどに続く同社の柱になることが期待されている製品だが、価格は3499ドル(約50万円)と非常に高額で、果たして本当に売れるのか疑問の声も少なくない。

「今年3月頃の発売が噂されていた『Vision Pro』ですが、予定を前倒ししての発売が決定しました。ただ、今のところ発売されるのは米国のApple Storeのみとなっており、日本を含めたそれ以外の地域での発売日や価格は発表されていません。また、現在発表されているのは同製品の256GBストレージだけで、それ以外のストレージのものが用意されるかなども明らかになっていませんし、どんなアプリが登場するかも不明。発売まで1カ月を切っていますが、とにかく分からないことだらけなのです」(ITジャーナリスト)

 謎多き新製品に専門家からは商業的に失敗するという見方も強い。そもそも「Vision Pro」は設計と製造が難しいことから、2024年の生産目標は40万台に届かないともされており、15万台程度の販売台数を予想するアナリストもいて、「アップル史上最も売れない製品のひとつになる可能性が高い」ともされている。

「まぁ、50万円という価格もありますし、名前にProと付いていることからも、基本的に『Vision Pro』は一般人向けというよりは専門的な人やアーリーアダプター向けの商品でしょうから、Apple側も爆発的なヒットは狙っていないと思います。それに、同社の新製品のファーストモデルは不具合の報告もままありますから、お金にも気持ちにもゆとりがある人でないと購入は難しいでしょう。ただ、実際に製品を触った人たちからは絶賛する声も多いので、まったく売れないということもないとは思います」(同)

 ここ最近は販売不振が続くAppleだが、「Vision Pro」で形勢逆転ということはなさそうだ。

(小林洋三)

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