今年は春から神宮球場が盛り上がりそうだ。ヤクルトスワローズではない。東京六大学野球春季リーグでの慶大4年・清原正吾の抜群の存在感だ。
東大戦(4月13日)では「4番ファースト・清原くん」のコールで観客は大盛り上がり。一塁でフル出場してリーグ初打点を記録するなど上々のスタートを切った。
父・和博氏はプロ通算525本塁打を記録したスラッガー。引退後の2016年には覚醒剤取締法違反で逮捕されたが、「今が一番優しい。友達みたいな関係です、と話しています」(スポーツ紙記者)と、和博氏はこの日もスタンドでも声援を送り「正吾もホッとしているのではないでしょうか。元気でプレーしている姿を見ることができて嬉しく思います」とコメントしていた。
「清原は幼稚舎(小学校)から生粋の慶應のボーイですが、中学はバレーボール、高校はアメフトで、野球は大学になってからで小学生以来のチャレンジです。もちろん硬式も初めてで、それで慶大の4番に座ったのは快挙と言ってもいいでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
本人は大学進学にあたり「両親が一番喜ぶのは野球をしている姿を見せること」と慶大野球部の入部を決意。幼稚舎時代の担任が昨年夏の甲子園で107年ぶりの優勝を果たした慶応高野球部の森林貴彦監督だったこともあり、進路相談の上で慶大野球部への入部が決まった。
「常時200名近い部員がいる中、彼は3年春にAチームまで昇格したものの、秋にはBチームに降格。実力的になかなかAチームに入れない時期もありましたが、そこで腐って終わってしまう選手が多いところを這い上がってきました。Bチーム時もしっかりスタンドで応援を送っていたそうです」(同)
慶大の堀井哲也監督は、オリックス、巨人で活躍した谷佳知氏、2022年巨人にドラフト2位で入団で今季ブレーク中の萩尾匡也を輩出している。
「監督も、まだ伸びしろは十分あるとして、そこをプロのスカウトがどう見るかですと、大いに期待をかけている」(大学野球担当記者)
今季の六大学リーグ戦で大化けするか。弟の勝児も慶応高野球部に在籍しており、日本野球界で“清原ブランド”が一気にメジャーになる可能性は高い。
(小田龍司)