2022年シーズン終盤戦の悪夢再現となるのか。ヤクルトは5月10日からの巨人との3連戦(神宮)で1勝2敗と負け越し、最下位脱出とはならなかった。今季も低迷する原因は主に投手陣が不調であること。打撃面は3番オスナは打点リーグトップで、4番村上宗隆は同本塁打トップ、5番サンタナは打率1位(12日時点=以下同)で好調なのだ。ただ、その中で少々心配なのが主砲・村上の状態だろう。
打率2割6分4厘、本塁打8、打点16。数字だけ見れば打率は物足りないものの問題ナシだが、そもそも8号アーチが出たのは5月4日。以後、安打こそ出ているが一発が出ていないのだ。そこで思い出されるのが、史上最年少での三冠王獲得となった22年の終盤戦である。
「シーズン55本目の本塁打が出たのは9月13日で、日本選手最多記録となる56号が出たのは10月3日のシーズン最終戦、それも最終打席でした。ドラマティックには語られていますが、この一発は実に61打席ぶりに出たもの。達成後の第一声が『ホッとしました』だったように、村上は相当な“重圧”と戦っていましたからね」(夕刊紙記者)
そして今季、9本目の本塁打に向けては新たな重圧が生じている。
「今季の9本目は、通算200号になる。2000年2月2日生まれ、24歳の村上が達成すれば、NPB史上最年少での200号。現在の記録は24歳10カ月の清原和博氏で、村上にはあと7カ月の猶予がありますが、22年の記録達成時同様、かなり意識している可能性はありますよ」(前出・記者)
ヤクルトは5月14日、15日と松山の坊ちゃんスタジアムでの対広島2連戦となる。村上は同球場と相性が良いだけに、早く決めてしまいたい思いだろう。
(飯山満・スポーツライター)