金正恩の「鶴の一声」だった!?北朝鮮がW杯予選の日本戦「平壌開催ドタキャン」の裏事情

 3月21日に行なわれたW杯アジア2次予選で北朝鮮を1-0で破り、今予選で無傷の3連勝を飾った日本代表。ところが、26日に開催予定だった平壌での北朝鮮戦が急転直下、ドタキャンされた。

「連絡を受けたアジアサッカー連盟(AFC)は、午後4時までに代替地案を提出するように北朝鮮側に求めたものの、提示されませんでした。結果、試合は中止となり、森保ジャパンは解散。試合が延期や没収になるのかなど、今後の取り扱いは国際サッカー連盟(FIFA)に委ねられることになりました」(スポーツ紙記者)

 W杯2次予選の開催期限は6月なので、別日への延期も可能性としては残されているが、日本代表は既に6月6日にミャンマー、11日にはシリアとの対戦が決まっている。そのため、新たな試合を組むことは困難とみられ、北朝鮮戦は没収試合となる可能性が高い。

「その場合はFIFA規定により、日本が3-0の不戦勝になります。つまり、日本代表は戦わずして4連勝が確定し、9月開催の最終予選進出が決まるというわけですが、果たして北朝鮮がその規定を素直に受け入れるかどうか」(前出・記者)

 今回のドタキャン理由について北朝鮮は、「日本で『劇症型溶血性レンサ球菌感染症』が流行しているため」と説明したと言われている。同感染症は突発的に発症し、急速に多臓器不全に進行する。致死率も高く、日本でも毎年100~200人の感染者が出ている。

「いずれにせよ、関係者の多くは、ドタキャンは正恩氏の鶴の一声だったのでは、と考えていますね。日本から選手団を入国させたら感染症を蔓延させてしまう、と考えたのかもしれませんし、あるいは正恩氏ならではの別の考えがあったのかもしれません」(前出・記者)

 北朝鮮は2月のなでしこジャパン戦の際も、平壌開催を突如中止し、試合3日前にサウジアラビアのジッタでの開催が決定するという「事件」を起こしている。韓国メディアは今回のドタキャンを「愚行」「暴走」と報じたが、たび重なる暴走は、日本はもちろんFIFA加盟国すべてにとって迷惑でしかないと知るべきだろう。

(灯倫太郎)

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