ファンサービス中止とチケット高騰で進むヤクルトのファン離れ

 ヤクルトは18日、今季からクラブハウス前での選手との握手や写真撮影、サインなどのファンサービスを控えることを発表。今後は定期的に選手会主催のサイン会を実施していくとし、ファンに理解と協力を求めた。

 これまでは選手が室内練習場からクラブハウスに戻る際、ファンの求めに応じてサインや写真撮影を行っていたが、数少ない選手との交流の場がなくなることで、ファンサービスの劣化が指摘されている。

 さらにヤクルトファンを憂うつにさせているのは、チケット代の高騰だ。神宮球場では2022年から「ダイナミックプライシング(価格変動制)」が導入され、日程や天候、組み合わせカードなどの要素によって、価格が自動的に変動するが、あくまでも「適正価格」とする球団側に反発の声も少なくない。これまでも値下げより値上げばかりが目立っているのだから当然だろう。

 実際、今季開幕戦となる3月29日の中日戦は、ネット裏のSS指摘席が通常の7000円が1万4800円に倍増。また普段は3900円の「外野指定席C1」と「C2」は1万100円に跳ね上がっている。いくら人気のある開幕戦とはいえ、これではファンも気軽に球場に足を運ぶことができなくなるのではないか。

「サインに関しては転売が常態化しており、また選手に必要以上に接触してくるファンも少なくなく、問題視されていました。ある程度の規制は仕方ないでしょうね。一方のチケット価格の高騰はファンにとってはかなり切実な問題。ホームの人気がないことから、ビジター席を中心に価格がアップするので、ヤクルト以外のファンは特に負担が大きくなっているのが現状です」(スポーツライター)

 近年、在京チームの中でも人気が低迷しているヤクルト。今後はよりサービスに力を入れないと、ファン離れが加速するかもしれない。

(ケン高田)

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