「状況を見て…」ヤクルト球団会長の言葉が重い高津臣吾監督“シーズン途中退任”の崖っぷち

 史上空前の大混戦になっているプロ野球セ・リーグで、中日と同様、置いてけぼりなのがヤクルトだ。今季は球団創設55年のメモリアルイヤーにもかかわらず、開幕から下位低迷が継続中。8月1日には93試合目にして自力優勝が消滅した。

 5季目を迎える高津臣吾監督は、今季が2年契約の最終年。「前を向いてやるしかない」とコメントするものの、来季については“白紙”だ。というのも、ヤクルトの衣笠剛・球団代表取締役会長CEO兼オーナー代行が高津監督の評価について「(2021、22シーズン)2連覇するのというのは非常に大変なこと」としながら、「今の順位から行くと、もう少し状況を見てということなる」と話しているためだ。

「プロ野球の場合、来季の監督人事については、補強やドラフト戦略もあるため夏には方向性を決める球団が多い。ヤクルトの来季に向けた監督選考も、まさに今が山場といえます」(夕刊紙記者)

 ヤクルトは以前、堅実な球団経営を続けてきたが、風向きが変わったのが2021年に全国販売がスタートした「ヤクルト1000」の爆発的ヒットだ。

「ヤクルトの業績がアップしたことで球団も潤い、今年などは6月の時点でオスナ、サンタナの両助っ人と新たに来季から3年契約を結び、その総額は30億円という大規模なものになった。ヤクルトは特に球団のゴタゴタを嫌いますが、2010年には高田繁監督がシーズン途中で休養にはり、17年にも真中満監督が8月22日にシーズン終了後の退任を発表している。これらを考えても、来季に向け早い段階で手を打つ、つまり高津監督の退任が決まる可能性は十分にあります。次期監督候補としては池山隆寛2軍監督が有力との話もありますね」(前出・夕刊紙記者)

 その前に、高津監督がどこまで踏ん張れるか。

(小田龍司)

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