長野が弱点露呈、広島は「巨人よ、トリセツくれ」!?

“赤いチョーさん”こと長野久義外野手は新天地・広島にすっかり馴染んでいるようだが、新たな難題にも直面している。

「時間の許す限り、やろうと思う」

 これは外野守備を担当する廣瀬純コーチがキャンプ中、メディアにこぼしたコメントだ。長野の守備に思わぬ弱点が発覚したのだ。

「長野はゴールデングラブ賞にも選ばれた名手ですが、苦手もあるんです。主にライトを守ってきて、他選手との兼ね合いでセンターに入ることもありましたが、実はレフトの守備が苦手なようなんです」(ベテラン記者)

 長野は2010年10月7日の広島戦以降、レフトを守ったことがない。廣瀬コーチは「レフトの景色に慣れること」なるアドバイスを長野に送っていた。こうした”初歩的なアドバイス”からも、レフトが苦手なことが察せられるが、古巣・巨人の関係者は「ちょっと違うんじゃないかな」と首を傾げていた。

「後方の打球を追うのが苦手みたいですね。統一球が導入され、打球の飛距離が落ちたとされ2011年、12球団の外野手は守備位置を『やや前方』に移すなどして対応していました。同時に求められたのは、前進した分、背走して打球を追う時の処理能力でした。長野は背走の捕球練習を必死にやっていましたが」

 東京ドームでは背走が苦手でもどうにかなった。しかし、両翼99・06メートルのマツダスタジアムでは難易度が高まる。

「センターには野間峻祥が回る予定。ライトには鈴木誠也がおり、松山竜平、バティスタがレフトとファーストの兼用という布陣が予定されています。長野がレフト以外の外野に入るのは、野間が不振か故障の場合だけ」(スポーツ紙記者)

 長野のレフト守備はまだぎこちない。とはいえ、肩の強さは広島外野陣に入っても引けを取らない。打撃面でも快音を響かせたと思えば、翌日は湿りがち。そんなムラッ気のある長野をどう扱えばいいのか、広島首脳陣は巨人に「長野トリセツ、くれ!」の心境なのかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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