メジャーリーガーの移籍情報に特化した米サイト「トレード・ルーマーズ」が、巨人入りの決まったルーグネッド・オドーア(前パドレス)を特集していた。近年の成績ダウンが改めて伝えられており、目新しい情報はなかったが、「wRC」という指数を用いて、「平均以下の選手」と位置づけていた。いわく、
「wRCの平均値を16年以降、上回っていない」
「wRC」とは、計算式によって打撃当たりの得点創出の多さを数値化した指標だ。つまり、その選手の打撃がどれだけチームの得点に貢献したかを量る数値で、それがずっと平均以下ということは、遠まわしに「巨人の補強は失敗だ」と伝えたかったのだろう。
「もちろん巨人の渉外担当者も、それを承知のうえで獲得を決めたのだと思いますが…」(スポーツ紙記者)
巨人側は「オドーアの再生」に確信を持ったうえで今回の獲得に至ったものと思われる。
「ライバル球団からは、かつて阪神に在籍していたロザリオを左打ちにした感じだとの声も聞かれました」(球界関係者)
ロザリオは日本球界に適応できず、1年で退団してしまった。しかし、オドーアのプレーを実際に見たことがある現地ライターはこう反論する。
「打席ではホームベースに近づいて構えるタイプです。普通、この手のバッターはインコースが苦手で、そこに投げさせないためにホームベースに近づいて立つんですが、オドーアはスイングスピードが速いので、体に近いところにきたボールもさばけます。三振も多いですが、決して淡泊なバッターではありません」
「wRC」のほかにも、気になるデータがある。23年、左投手との対戦成績は打率.176。22年までは対戦投手の左右に関係なく、コンスタントに打っていたが、23年はガクンと成績を落としている。
「今季の巨人は左バッターの多い打線になりそう。右打ちは坂本勇人と岡本和真だけになるかも」(前出・スポーツ紙記者)
批判的な米メディアを見返すには、オドーアが左投手を攻略できるかにかかっている。
(飯山満/スポーツライター)