プーチンの「がん」とトランプ再選で風雲急/2024年ニッポン大予測

「24年の国際社会はイベント目白押しで、結果次第では世界は大きく変わるかもしれません」――こう予言するのは国際ジャーナリスト山田敏弘氏だ。

 1月に行われる台湾の総統、3月のロシア大統領、11月のアメリカ大統領と3つの選挙が控えている。いずれも大事な選挙だが、戦況は目下、台湾は独立派と親中派が接戦、ロシア大統領選はプーチン再選、アメリカ大統領選はトランプ優位が伝えられている。中でも世界のリーダー・アメリカ大統領選挙は、同盟国・日本としても気になるところだ。

「結果が出るまでの1年弱、アメリカ国内は世論が二分して大混乱するでしょう。そして、もしトランプが勝てば、世界はひっくり返るでしょう。彼のことですから、憲法に定められた2期8年の任期を変えて、最強の独裁者になろうと目論むなんてことも飛び出してくるかもしれません」(前出・山田氏)

 争点はイスラエルとウクライナの戦争支援にも関わってくる。

「トランプ返り咲きなら、イスラエル支援でウクライナは切り捨て。となると、イスラエル支援のアメリカは世界で孤立化を一層深めます。また、ウクライナは前線の兵士の平均年齢が40歳を超えて非常に苦しい。動員を巡っては最近、軍総司令官がゼレンスキー大統領を批判する場面すらありました。翌25年には西側諸国の支援疲れが一層強まっているはず」(全国紙記者)

 大統領に戻ったトランプなら「俺がプーチンとディールして戦争を終わらせてやる」と言うのだろうが、相手のプーチンも再選を果たしたとて、決して安泰とも言えないようだ。

「ウクライナとの戦争が始まって以来、プーチンには何度も健康不安説が持ち上がりましたが、中でも血液のガンは信憑性が高い。ではプーチンがいなくなってめでたしめでたしとなるかと言えば、おそらくそうはならない。むしろ反西側の中国と北朝鮮が連携を強めることになる。そうなると世界はますますカオスと化す。さらにハマスの背後にいる反米のイランと思惑が一致することになれば、完全に世界は二分されるでしょう」(前出・山田氏)

 そして、山田氏が最も注目するのが「AI」による変革だ。昨年ブームとなったChatGPTのようなAIツールが本格的に実用化され、とりわけアメリカでは多くの単純労働者の仕事を奪い、格差と分断が進むと見ている。

「もともと格差社会の進んだアメリカでさらに分断が深まれば、治安は悪化、麻薬が蔓延するでしょう。アメリカでは現在、中国産のドラッグがメキシコなどを経由して持ち込まれている状況が大きな社会問題となっている。結果、ここでも米中対立が高まる可能性があるのです」

 2つの戦争が継続する中、24年もどこが火薬庫になるのか、きな臭い年になりそうだ。

ライフ