吉高由里子が源氏物語の作者・紫式部を演じるNHK大河ドラマ「光る君へ」が1月7日に放送スタートする。舞台は国風文化で栄えていた平安中期で、戦乱など激動の時代を描いた定番の大河とは異なる。そんな毛色の違う今作を人気トップ女優の彼女がどう演じるのかに注目が集まっている。
ちなみに女性が主人公の大河ドラマはこれまで13作あるが、その中で最も全話平均視聴率が高かったのが大原麗子主演「春日局」(89年)の32.4%。2位は佐久間良子が秀吉の正室・ねね(北政所)を演じた「おんな太閤記」(81年)の31.8%、3位に大河ドラマではもっとも新しい、終戦から約40年を描いた三田佳子の「いのち」(86年)の29.3%と続く。
そして、4位には今世紀の大河最高視聴率でもある宮崎あおいの「篤姫」(08年)の24.5%、5位に松嶋菜々子が唐沢寿明とW主演を務めた「利家とまつ」(02年)の22.1%、6位に仲間由紀恵が上川隆也とW主演した「功名が辻」(06年)の20.9%とほぼ半数の6作品が20%の大台を超えている。
「男性主人公の場合、知名度のある偉人ほど人気作品になる傾向がありますが、主人公が女性の作品にはこの法則が当てはまりません。春日局は放送前は一般知名度が低い人物でしたし、篤姫にしても同様です。また、いのちに至っては架空の人物です」(テレビ誌編集者)
近年は録画や見逃し配信などの視聴者が増え、テレビ界全体の平均視聴率が下がってきたが、そんな中でも上野樹里主演「江 姫たちの戦国」(11年)は17.7%で、2010年以降に放送された大河ドラマでトップ。綾瀬はるかの「八重の桜」(13年)は14.6%で同4位、柴咲コウの「おんな城主 直虎」も12.8%で同7位と、女優主演の作品はいずれも健闘している。
「歴史に詳しい人じゃないと知らないレベルの偉人を主人公にした作品でこの視聴率は立派。そういった意味では紫式部の名前は広く知れ渡っていますが、私生活について知る人は少なく、生涯を通じて多くの謎に包まれています。よって、ある程度オリジナルの解釈が可能ですし、源氏物語の世界観を意識した演出で、普段大河を見ない女性ファンを取り込めれば高視聴率も望めるでしょう」(同)
実際、22年5月の制作発表会見で脚本を担当する大石静氏は、こう語っている。
「これまでの大河ドラマとはだいぶ趣が異なると思います。藤原家が権力を誇った平安王朝は『華麗なる一族』と『ゴッドファーザー』を足して3倍にしたぐらいの権力闘争。面白い話がいっぱいある」
衣装やセットの華やかさに加えて、大河らしからぬドロドロしたストーリーに期待できそうだ。