断われない? 守備難のマイナー選手が「NPB入り濃厚」となったウラ事情

 ソフトバンク入りは消えた。楽天、中日、DeNA、それとも巨人か?

 今季、ロイヤルズでプレーした外野手のフランミル・レイエスの日本野球界入りがほぼ確実となった。ドミニカ共和国出身の28歳、右打ちのパワースラッガーだ。

「10月下旬にソフトバンクの名前が出ていました。その後、具体的なアクションはなく、レイエスはドミニカでのウインターリーグに参加していました」(米国人ライター)

「10月下旬」というのが、意味シンなのだ。ソフトバンクは11月6日に前巨人のウォーカーを交換トレードで獲得したことを発表している。ウォーカーとレイエスはタイプが重なる。しかも「守備難」という欠点も同じ。

「ソフトバンクは山川穂高も獲得したので、もう右打者の補強はないと思います」(スポーツ紙記者)

 今回、レイエスのNPB移籍の可能性が高まった理由はエージェントにあった。レイエスは「DTO sports」社と契約したのだが、同社はNPBとの太いパイプを持っており、今オフ、千葉ロッテ移籍が決まったコルデロもクライアントの1人だ。ほかにも同じくロッテのメルセデス、日本ハム・ロドリゲスがいて、広島・コルニエルや巨人に復帰したウレーニャ、DeNA・マルセリーノといった“これからの選手”も多い。

「DTO sports社の社長はドミニカ人で奥さんは日本人。ラテンアメリカで、日本で野球を学んでビッグになりたいと思っている選手や、チャンスに恵まれない若手、伸び悩んでいる中堅どころの選手をNPB各球団に仲介しています。ある意味、NPB球団がもっとも親しくお付き合いしているエージェントです」(関係者)

 レイエスがその「DTO sports」社と契約したことで、NPB入りが有力視されるようになったというわけだ。

 ちなみに、レイエスのウインターリーグでの成績だが、打率2割8分7厘、本塁打8。イマイチな感もしないではないが、こんな意見も聞かれた。

「ドミニカでのウインターリーグは『投高打低』の傾向が強いんです。そこで2割8分台の打率を残せたんですから、期待してもよいと思います」(前出・米国人ライター)

 レイエスのメジャーデビューは17年。34試合で6本塁打をマークしたが、その後はマイナー降格とメジャー復帰を繰り返す“エレベーター状態”だった。守備難のほかに「好機で打てない」欠点もあり、チャンスを活かしきれないまま今日に至ってしまった。

 しかし、きめ細やかな日本の指導を受ければ、本塁打量産の大砲に大化けするかもしれない。外国人野手をまだ補強していない巨人や中日、楽天、オリックス、DeNAの動向が気になる。エージェント会社との今後のお付き合いも考え、契約する球団が出てきそうだ。

(飯山満/スポーツライター)

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