「熱意の差が出た」甲斐“巨人入り”小久保監督を見切らせた阿部監督の奔走

 阿部巨人にとって、田中将大投手の獲得秒読みに続き再びの朗報だ。ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)権を行使している甲斐拓也捕手の加入が決まった。

 2010年育成ドラフトの6位指名から、チームだけではなく日本代表・侍ジャパンの正捕手にまで駆け上がったが、「もう1ランク上の捕手になりたい」とFA宣言をしていた甲斐。

「ソフトバンクも残留交渉を行っており、セ・パを代表する両球団による争奪戦は1カ月以上続いていました。これまでのFA交渉では、長引けば長引くほど残留する可能性が高かった。それだけに甲斐の巨人入りは驚きです」(巨人担当記者)

 甲斐も田中も、「阿部監督立っての希望の補強」(球界OB)とのこと。24年シーズン、巨人は捕手のローテーション制を敷いており、ベテランの小林誠司を筆頭に多くの選手がいる。それにもかかわらず、阿部監督は甲斐に対してラブコールを送っていた。

「ソフトバンクでは長らく正捕手だった甲斐ですが、小久保(裕紀)監督はこれを剥奪していた。それでも残留交渉で4年10億円以上の提示をした一方、阿部監督は電話だけではなく、福岡まで出向いて極秘に直接会って口説いている。最後は監督の熱意の差が出たようです」(ソフトバンク担当記者)

 甲斐は、シングルマザーだった母親がタクシーの運転手などで昼夜問わず働き続け育てられた苦労人。“温室育ち”が多い巨人の選手たちのメンタル面強化においても、大きな補強となりそうだ。

(小田龍司)

スポーツ