日本ハム・新庄剛志監督は今季も「話題」に事欠かない。3月16日、みずほPayPayドームでおこなわれたソフトバンク戦では、2年前まで在籍していた“因縁”の上沢直之投手から3回までに9安打5得点と滅多打ち。4盗塁のおまけまでつけて完膚なきまでに叩きのめした。
23年、日本ハムのエースだった上沢がポスティングによるメジャー移籍を希望すると、「全面的に応援するから頑張れ!」と送り出したのが新庄監督だった。
「現地での通訳などの手配、帰国後の施設の使用にも球団は快く協力していました」(日本ハム担当記者)
ところが昨オフ、パ・リーグのライバルであるソフトバンクに移籍したことで両者は“冷戦状態”に突入。「育て方を間違った」「この流れはやめてほしい」と新庄監督が苦言を呈すると、日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長は、上沢の移籍には何の問題もないとしたうえで「影響力のある人の発言が誹謗中傷につながる。やめていきましょう」とコメントしていた。
「新庄監督は選手会の意向に何の反応も見せませんでしたが、16日の試合前に多くの日ハムの選手が上沢と挨拶を交わす中、新庄監督は出てくることすらしませんでした。怒りは継続中です」(前出・記者)
試合後の囲み取材では、新庄監督は担当記者にニヤリと微笑むと、メモ用紙を渡して「後で見ておいて」とだけ言い残して立ち去った。メモには「お話しすることは何もございません」と書かれていた。
14日から行われたこの3連戦は1勝1敗1分けのイーブン。日本ハムは昨季もソフトバンクには12勝12敗1分けだった。小久保監督は新庄監督の一連の行動に「(日本ハムは)強力!強力!今年も手強い」と最大限の警戒モードに入っていた。
(小田龍司)