直木賞作家の伊集院静氏が11月24日、肝内胆管がんのため、この世を去った。享年73歳。生前は酒とギャンブルをこよなく愛する最後の無頼作家として知られ、様々な女性との浮き名も流した稀代のプレイボーイでもあった。「カネと女」に生きた、男惚れする生き様をたどる。
伊集院氏を語るに欠かせないものと言えば、麻雀・競輪・競馬といったギャンブル。費やした金額は数十億円にも上るとされている。
古参芸能デスクがそのギャンブル人生を振り返る。
「妻である夏目雅子さんを亡くしてからの生活は自暴自棄そのもの。伊集院さんが先生と慕う、雀士で作家の阿佐田哲也さんと全国の競輪場を〝旅打ち〟して巡っていた。伊集院さんにとっては、最愛の人の死もギャンブルもすべてが文学につながっていたように感じます」
ギャンブルの中でも特に競輪好きだったが、スポーツ紙で33年間にわたって競輪コラムも執筆。時には出版社へ原稿料の前借りまでして競輪場に足を運んでいたという。
「とんねるず・石橋貴明(62)を相手に『最終日の最終レースは500万から800万円打つんだよ』と、語るほどのめり込んでいたそうです。また、今では競輪好きとして知られる騎手の武豊さん(54)ですが、最初にハマったきっかけは伊集院さんに競輪場に連れて行ってもらったことだったと言われています」(古参デスク)
ギャンブルで大勝ちした日には、払戻金が数千万にも及ぶことも。その札束を無造作に紙袋へ入れ夜の街に消えゆく‥‥。そんな姿にひかれる女性は少なくなかった。その1人こそが、先ほども名前が挙がった夏目雅子だった。2人の出会いは「化粧品のCMの撮影現場」と、スポーツ紙記者が語る。
「1977年当時、伊集院さんは結婚していて、2人目の子供が奥さんのお腹の中にいる頃だった。それでも互いにひかれ合った2人は不倫交際で愛を育んでいました。80年には伊集院さんが離婚。84年に7年の交際を経て、2人はついに結婚したのですが、翌年に夏目さんが急性骨髄性白血病によって27歳の若さで亡くなってしまいます」
7年もの交際期間は、ただ愛を育んだ時間というわけではなく、ちょっとした裏話もあると先のスポーツ紙記者は付け加える。
「実は、同時期に女優の桃井かおりさん(72)とも交際していると噂があった。そのため焦った夏目さんが猛アタックの末、結婚に至ったと言われています。また、夏目さんは何度か伊集院さんの子供を身籠もったという話も。子供を作らないのは伊集院さんの希望で、夏目さんはその気持ちを尊重していたようです」
修羅をくぐり抜けた先に、さらなる不幸が待ち構えていたとは‥‥。
(つづく)