ホームランダービーの惜敗の原因は、前半戦最後の対戦カードとなったマリナーズ戦に隠されていた!?
大谷翔平選手は前半戦を「33本塁打」でターン。前半戦最後となるマナリーズ戦には「2番DH」で出場した(7月12日/日本時間)。4打数2安打とチームの勝利に貢献したが、34号本塁打は出ていない。しかし、この33号アーチがマリナーズ戦で出て、34本目が同カードで出なかったことにも意義があった。
「33号を放ったときの相手投手は、左腕のマルコ・ゴンザレスです。昨季、大谷はこのゴンザレスから11打数1安打と完全にカモにされており、苦手意識も持っていました。今季は故障で、このカードでの対決が初顔合わせとなりました」(在米ライター)
33号を放った後の同試合の第3打席、大谷はゴンザレスの緩いカーブにタイミングが合わず、空振り三振を喫している。
そもそも、大谷がゴンザレスを苦手とする理由だが、彼は非常にクレバーな投手で、試合前のミーティングではスコアラーやコーチ陣も舌を巻くようなゲームプランを組み立ててみせるという。試合中の修正能力も高く、三振を奪った第3打席のウィニングショットにカーブを選んだのも、その表れだという。
「ふだん、あまりカーブを投げていません。緩急でタイミングを外すことを考えたのでしょう」(現地関係者)
この意表をつく配球というのが、翌日の同カードに引き継がれた。しかし、大谷はホームランを狙って全ての打席に立つわけではない。フルスイングしてもスタンドには届かないコースばかりを攻められたため、「チャンスメイクし、次打者に繋ぐ」と、こちらも発想を切り換えた。それが、ホームランなし、4打数2安打となったわけだ。
「大谷もゴンザレスの頭脳的な投球術は認めているはずです。近年中にサイ・ヤング賞を獲る逸材とも言われています」(前出・在米ライター)
同じ投手同士として、タイトルを争うライバル。そして、打者としての対戦。ホームランダービーは1回戦で消えてしまったが、後半戦はライバル対決に注目が集まりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)