8月23日に搭乗していたジェット機の墜落により死亡したとされるロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者エフゲニー・プリゴジン氏。ネット上ではいまだに生存説が流れているものの、同氏の広報チームは、遺体はサンクトペテルブルク郊外のポロホフスコエ墓地内にある実父の墓の隣に埋葬されたと明かした。
そして、この発表以来、墓を訪れる人が後を絶たないのだという。
11月19日配信の「テレ朝news」によると、その数は1日約50人。埋葬されてからすでに3カ月が経つが、墓は花やお供え物で埋め尽くされ、メッセージカードなども備えられているという。墓の場所を示す案内板も複数あり、今や「観光スポット」になっているようなのだ。
「政府に反旗を翻したとはいえ、死亡の際にはプーチン大統領も哀悼のコメントを述べており、墓の参拝自体は規制されていません」(ロシアに詳しいジャーナリスト)
ただ、墓の周辺には監視カメラが設置されており、近くにあるモニターが置かれた小屋で、墓参する人物を当局がチェックしているという。
「プリゴジン氏はプーチン体制下で唯一面と向かって反旗を翻した人物。ワグネルの主だった幹部も墜落で亡くなっていますが、彼を支持する人間は組織内にもロシア国民にも多い。そのため、新たなクーデターを未然に防ぐという意味もあり、訪れた人はすべて当局によってチェックされているようです」(前出・ジャーナリスト)
今や心酔する者たちにとって「聖地」となった感もあるプリゴジン氏の墓。墓前でクーデターを誓っているかどうかは不明だが、訪れる人が減る気配はないようだ。