カチカチアイスも買える!「新幹線の車内販売」実は廃止されていなかった

 10月末で終了となった東海道新幹線のワゴンサービスによる車内販売。人手不足と売上の減少が大きな理由だが出張のサラリーマンの間では根強い人気があり、販売終了を嘆く声も多く聞かれた。

 しかし、実際には車内販売自体は終了になっていなかったようだ。実は、東海道新幹線は11月から「モバイルオーダー」による車内販売を導入。最近は一部の飲食店などでも採用されているが、スマートフォンでQRコードを読み取ってメニューが載っているページを開き、そこから直接注文するというものだ。

 ネット上では《ワゴンが来るのを待たなくていいし、むしろ便利になった》《飲みたい時、食べたい時にすぐ買えるのは助かる》など利用者からの好意的なコメントが相次いでいるが、このサービスはグリーン車の乗客限定。指定席と自由席の乗客は利用できない。

「従来のワゴンサービスは指定席・自由席よりもグリーン車の乗客のほうが利用する割合が高かったんです。新サービスは好きな時に注文でき、しかも座席まで届けてくれるため、むしろ利便性は上がっています」(鉄道専門誌編集者)

 以前から人気だったドリップ式のコーヒー、スプーンが刺さらないほどカチカチで話題だった通称「シンカンセンカタイアイス」も販売中。その他、お弁当やアルコール類も取り扱っている。

「特にアイスは11月から東京~新大阪間ののぞみ号停車駅のホームでも専用自販機による販売が始まりましたが、冷蔵温度の設定などの都合で『硬さが足りない』など不満の声も多かったんです。とはいえ、一般の方にとってグリーン車は高嶺の花。車内でカチカチのアイスを食べられるのはある種のステータスになりつつあります」(同)

 ちなみに気になるのは、モバイルオーダーのサービス拡大について。今後、指定席や自由席でも利用できる可能性はあるのだろうか?

「現在の人員では16両全車両をカバーするのは不可能です。そもそも人員不足がワゴンサービス廃止の一因である以上、スタッフの数を増やすことは難しく、あくまでグリーン車限定のサービスになると思います」(同)

 モバイルオーダーは東海道新幹線グリーン車の新たな付加価値となっているようだ。

ライフ