南海トラフ地震に備え知っておきたい「東京―名古屋・大阪」代替ルート

 8月8日、宮崎沖でM7.1の地震が発生したことで気象庁から発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)。この特別な呼びかけは15日17時をもって終了となったが、地震の脅威そのものが消えたわけではない。

 仮に南海トラフ地震が発生した場合、関東から四国、九州の太平洋側沿岸地域に重大な被害を及ぼす可能性は極めて高い。当然、交通網への影響も避けられず、早期復旧は難しいとも言われている。

 例えば、東京から名古屋、大阪に移動する際、主要ルートとなるのは東海道新幹線。在来線の東海道本線もほぼ並行する形で走っているが、これらが不通となった場合、どのようなルートが考えられるのか?

「北陸新幹線で終点の敦賀まで行き、そこから在来線かバスで名古屋、大阪で向かう形になるでしょう。他には新宿から塩尻(長野県)経由で名古屋に向かう中央本線ルートもあります。ただし、こちらは北陸新幹線より太平洋側に近いこと、さらに山間部を通るルートなので土砂流入やトンネル内の損傷状況次第になると思われます」(交通インフラに詳しい大手紙記者)

 一方、道路に関してはどうだろうか?こちらも南海トラフ地震が起こった場合、東名高速と新東名高速の2本の高速道路、さらに国道1号線への影響は必至だろう。

「被害がない、または軽微であれば中央道になりますが、こちらも難しい時は北陸道と関越道の迂回ルートになります」(同)

 ちなみに、2011年の東日本大震災で全面復旧まで要した期間は、東北新幹線が49日で東北自動車は13日。ただし、震源から離れていた上越新幹線と関越自動車道は早期復旧を果たし、首都圏と東北を結ぶ人や物流の重要な迂回路を担った実績もある。

 こうした有事における迂回路の存在を覚えておけば、もし巨大地震に襲われても必要以上にパニックにならずに済むはずだ。

※写真は北陸新幹線

ライフ