サッカー日本代表は、10月13日のカナダ戦で4−1、17日のチュニジア戦は2−0で相手を下し、6月の2試合と9月のあのドイツを破った試合を含む2試合をいずれも勝利し、目下、国際試合6連勝中。しかもチュニジア戦の2得点以外は全て4点以上を取るという、破壊的な攻撃力には海外メディアも驚きを隠さないほどだ。
この日本の好調に、永遠のライバル・韓国からは悲喜こもごもの声が聞こえてきている。「悲」は親善試合の相手国について。日本VSカナダ戦がおこなわれた13日に韓国はチュニジアと対戦していたが、日本がチュニジアと戦った17日には、韓国はだいぶ格下のベトナムとの試合が組まれていたからだ。
「同じアジアのライバルであるオーストラリアも、10月14日にイングランドと対戦しています。すると韓国メディアからは、日本やオーストラリアは海外の強豪と試合をしているのに、『自国だけ格下と対戦…』とマッチメイクを批判する論調が広がっていたのです」(スポーツライター)
とりわけ来年1月には、アジアナンバー1を決めるアジア杯を控えていて、代表の仕上がりについてライバル国の動向がいやがうえにも気になるところ。ところが格下相手と戦っていたのでは強化につながらないし、比較のしようもないというわけだ。
一方、「喜」の声も伝わってきてはいるのだが、それがまた微妙なものだった。
「ほぼ同時期に対戦したチュニジア相手に、日本は2得点だったのが韓国は4点を取って勝ったことで、『最低限のプライドを保った』と重箱の隅をつつくようにしてプラス材料を引き出しているんです。さらに、世界的な名手で韓国の絶対的なエース『ソン・フンミンが試合に出ていなかったにもかかわらず』という枕詞付き。6月には日本はペルーとエルサルバドルと戦って2試合計10得点で圧勝したのに対し、韓国も両国と同時期に試合をおこない1勝1敗で大恥をかいたとされていましたから、それだけチュニジアから4点取ったのは大きかった。格下のベトナム戦でも6−0で完勝したので、ドイツの元名選手ユルゲン・クリンスマン監督への風当たりもだいぶ弱まったようです」(同)
韓国は9月におこなわれた杭州・アジア大会の決勝で日本に勝って優勝したが、日本は22歳以下の代表で臨んだので、あまり比較にならない。それだけに「チュニジアの4点」がことさらにクローズアップされているわけだが、日本人でそのことを気にしている人はまずいないだろう。
(猫間滋)