「飼わないっていう選択肢も」小野真弓が高齢者へのペット譲渡を否定した理由

 環境省によると、2021年度に保健所などで殺処分された犬や猫は約1万4000匹。1974年に調査を開始して以降、過去最少を更新した。殺処分を減らすことができたのは、新たな飼い主と保護された犬猫のマッチング。保健所や動物愛護センターに引き取られた5万8000匹のうち、約3万6000匹が新しい飼い主に引き取られたという。

 ペットの里親制度が多くの命を救ってきたが、多くの保護団体は「単身者」「高齢者」への譲渡をNGにしている。9月24日放送の「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)が紹介したのは、高齢者とペットのマッチング。NPO法人「にゃいるどはーと」では、高齢者に成犬や成猫を飼育してもらい、“万が一”の際には団体が保証人となってペットを引き取るという見守り譲渡制度をスタートさせ、VTRでは5歳のヨークシャーテリアを迎えいれた70代女性を紹介した。

 スタジオで意見を求められたタレントの小野真弓は、自身も犬猫の保護活動に取り組んでいると明かしてこう持論を展開した。

「私は率直に言うと、ご高齢の方に私が預かっている子を譲渡するっていうことはしたくないと思っていて。それはいちばん相談で多いのが、『飼えなくなった』。ご自身が施設に入るからもう飼えないから、5匹の猫がいるけど、これをどうにかしてほしいとか。後は亡くなっていて、ペットが取り残されているって相談が頻繁にくる状態で、当事者が亡くなっていると、家の片づけとか財産の整理を親族の方が来てやるんですけど、その方にペットに対する理解がなかったりすると、『ボランティアさんで何とかしてくれ』『それができないなら外に放す』『保健所で殺処分の可能性もあるけど連れて行くんだよ』とか。そういうこととかをしょっちゅうやり取りしているので、やっぱり動物が本当に好きだったら、飼わないっていう選択肢もあると思うし」

 この後、「にゃいるどはーと」の代表者は、「シェルターとか施設にいるより、シニア層は時間がある。けっこう関われる人たちもシニア層っているので」と見守り制度のメリットを強調。保護されたペットについて「飼い猫として、飼い犬としての人生を送らせてやってもいいかな」と述べて、もしもの際の「ペット返還」に関しては料金を受け取らないと明言した。

「高齢者でも犬猫を引き取れる見守り譲渡制度は確かに画期的なシステムと言えるでしょう。これによって、殺処分の数はもっと減らせるかもしれません。それでも、小野さんはよほど無責任な飼い主を見てきたのでしょう。高齢者へのペット譲渡に否定的な考えを示したのも理解できます。SNSでは《小野さんよほど苦労したんだな》《小野さんの意見に共感》と賛同する声が見られた一方で、《小野さんもしも高齢者になったらどうすんの?》《高齢者にケンカを売った?》などと賛否両論。ただ、ペットロスで生きがいを失った高齢者にとって、この見守り譲渡制度は希望の光となるかもしれません」(メディア誌ライター)

 高齢者へのペット譲渡システムは定着するか。今後の展開を見守りたい。

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