「火の粉は払わないと」木原誠二氏が新人事発表前にドヤ顔で発言

 岸田文雄総理の“最側近”と言われる木原誠二衆院議員。9月13日の内閣改造で官房副長官を退任することとなったが、そこから一転、22日には幹事長代理と政調会長特別補佐を兼任する人事が発表された。

 新人事が発表される3日前の19日、内閣から一時離れる形となった木原氏は、マグロ仲卸業を営む生田与克氏のユーチューブチャンネル「魚屋のおっチャンネル」のライブ動画に出演。要職に就かない“フリー”の立場から、岸田政権へ浴びせられた“汚名”に真正面から反論するシーンが見られた。きっかけは、共演した自民党の平将明衆院議員からのこんな疑問だった。

「なんで岸田政権って『増税、増税』って言われるんだろうね。言いがかりもいいところじゃない」

 これに反応した木原氏はこのようにコメントした。

「いちばん最初のボタンの掛け違いはね、金融所得課税なんですよ。これはね令和3年10月4日、夜の記者会見で“1億円の壁”っていうのを質問されて、総理が。それで『解消すべきだ』ってお答えになった」と振り返り、「格差是正のために『1億円の壁』はやるべきだ。これは金融所得課税の強化。ただしこれをやるとマーケットに影響があってやってない」とした。

 岸田総理は2021年の総裁選に出馬する際、所得が1億円を超えると税負担が軽くなるという「1億円の壁」を見直すことを公約に掲げていたが、総理就任直後の株価の下落や経済界の反発を受けて、これを撤回している。さらに木原氏は、批判を浴びた「サラリーマン増税」についても、「政府税調なんてどうでもよくて。学者が言ってるだけなんだから。本当に。決めるのは党税調」と、諮問機関のひとつである政府税制調査会をコキおろすと、ドヤ顔でこう断言した。

「降りかかった火の粉はね、僕も含めて、払わないといけないから。岸田政権が増税政権だと言われている以上は…。自分が内閣にいる時は言えなかったけど、今、離れて言うと、減税やればいいんだよ。やって示すしかない」

 この動画が公開された当時は、まだ新人事が発表される前だったため、このような強気発言にいたったのだろうか。

「岸田政権には『増税』のイメージがついていますが、実際に増税が行われたことはないというのが与党の主張。防衛費を賄うための“1兆円増税”についても、2025年度以降へと先送りされています。しかし、この10月から始まるインボイス制度は実質的な増税で、反対運動が盛り上がっているにもかかわらず、強行される見通し。高騰するガソリン代についてもトリガー条項を発動することなく、二重課税廃止の議論すら行われていません。増税政権とは言いにくいまでも、減税に消極的なのは事実。木原さんにはぜひ『減税政策』を打ち出してほしいですね」(政治ジャーナリスト)

 増税政権との悪評を「降りかかる火の粉」にたとえた木原氏。岸田総理の懐刀として、ぜひ減税を実現させてほしい。

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