木原誠二氏、醜聞続きでも「栄転」の仰天寵愛/「岸田人事」の大失敗(1)

「うす味」「内向き」「新味なし」、改造直後から野党に酷評されっぱなしの「第2次岸田内閣」。適材適所が聞いてアキれる面々に支持率も低下する一方だ。しかも、官房副長官という要職にありながら、私生活醜聞にまみれた〝総理の腹心〟は身内に置いたまま。総理が一蓮托生とホレ込む〝不適切な関係〟をスッパ抜く。

「余人をもって代えがたし」─こう独りごちる岸田文雄総理(66)の声が聞こえてくるような〝寵愛人事〟だった。

 9月22日、内閣改造に伴い発表された党内人事で、内閣官房副長官として岸田内閣を支えた木原誠二氏(53)が党幹事長代理と政調会長特別補佐という2役を兼務することが決定した。

 今でこそ、岸田総理の〝懐刀〟と重用される木原氏のキャリアは華麗そのもの。毎年、多くの東大進学者を出すことで知られる武蔵中学・高校を経て東大法学部に進学。大学卒業後は大蔵省に入省、後に05年の衆院選で国会議員に転身と、まるで絵に描いたようなエリート街道を歩んでいる。その後、同じ派閥の宏池会の岸田総理が政権の座に就いてからは、官房副長官として政策の数多くをプランニング。永田町では、〝陰の総理〟とも称されている。

 が、こと私生活面になると、カタ破りの醜聞が付きまとう。まず21年12月には「週刊新潮」で愛人と隠し子報道に見舞われた。さらに、今年7月には「週刊文春」が、木原氏の妻A子さんの元夫の不審死を巡り、警察の再捜査に木原氏の妨害があったとする疑惑をスクープ。その後も、追及のキャンペーンは続き、あげくには違法風俗で買春したことまでスッパ抜かれたのだ。これに対し、木原氏サイドは代理人弁護士が「マスコミ史上稀に見る人権侵害」とし、「週刊文春を刑事告訴する」と息巻いたが、その後、本人は一切会見を開かないまま官邸を辞しているのだ。

 官邸キャップが打ち明ける。

「木原氏も連続報道が身にこたえ一時は憔悴しきっていた。これ以上官邸に居座り、悪目立ちすれば、政権維持にも影響することは必至。木原氏本人は『辞めさせてほしい』と訴えていた。これだけ疑惑まみれとなっただけに、永田町では今回の改造でいったん交代させるものとみられていた」

 ところが、一転して、党2役を兼務する〝栄転〟となったのだ。 この人事内幕に関し、政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう看破する。

「それだけ岸田総理には内外にブレーンがいないということです。宏池会には小林史明(40)や村井英樹(43)など若手の側近がいないでもないが、政権運営全般を切り盛りできるほどのタマではない。結局、頼れるのは木原氏1人しかいない。ですが一連のスキャンダルで、国会に呼ばれる可能性のある官房副長官のまま置いておくのはマズい。そこで次期首相を狙う茂木敏充幹事長(67)と、旧安倍派の実力者の萩生田光一政調会長(60)の監視役として据えたわけです。有力ブレーンが活躍できる場の確保として一挙両得でもあるのでしょう」

 本来なら、政権のアキレス腱となるワケアリ議員は早々に人事で切って捨てるのが永田町の常道。ここまで重用したとあって、永田町では岸田総理の〝木原愛〟などと揶揄されているという。

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