中国企業の「羽生結弦」商標登録が及ぼす悪影響!

“全面戦争”になりそうな雲行きだ。

 フィギュアスケート男子の羽生結弦選手の名前を、中国の企業が2件の商標登録申請していたことがわかった。中国では、日本の生産物や地名を勝手に商標登録し問題になったこともあるだけに、羽生ファンとしては気が気でないだろう。

 8月19日現在、申請は審議中だが、中国の知的財産権を管轄する国家知識産権局に認定されれば、「羽生結弦」を冠した商品が市場に出回ることになる。当然、この事態は羽生が所属するANAや日本スケート連盟も把握している。
 
 じつは過去にも中国では「羽生結弦」を商標登録しようとしたヤカラがおり、2017年8月から18年7月にかけて5件の商標申請があった。この時はすべて却下されていることから、今回も申請が通る可能性は極めて低いと思われる。だが、不安を募らせる関係者もいるようだ。

「過去の申請は比較的早めに“拒絶、却下”だったのに対し、今回は4月28日に申請されて、いまだに“審査中”ですからね。登録されてしまう可能性が全くないとは言えません。万が一、商標登録が認められた際は、羽生サイドが徹底的に無視するという方法もありますが、ただ怖いのは、羽生と現在契約している企業への影響。グローバルにビジネス展開する会社ばかりですからね」(スポーツ紙記者)

 じつは中国の商標法は今年11月に法改正が予定されており、悪意のある商標登録出願は拒絶・拒否・無効の対象となる。逆に言えば、今回の申請は改正前の“駆け込み出願”とも思える。

 羽生の19−20シーズン初戦は、9月12日開幕の「オータム・クラシック」となる。昨季は左足の故障で不本意なシーズンとなったが、今季は「前向きな発言も多い」(関係者)とのこと。復活に懸ける五輪王者がリンク外の騒動に巻き込まれぬよう願うばかりだ。

(スポーツライター・飯山満)

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