ドラマ「日本沈没」でクローズアップされる「日本以外全部沈没」とは?

 10月10日スタートのTBS日曜劇場『日本沈没-希望のひと-』。主演の小栗旬をはじめ、松山ケンイチに杏など主演級を揃え、この秋スタートの連続ドラマでも特に注目を集めている大型作品だ。

 原作は小松左京の人気小説。これまでたびたび映像化されており、いずれも大ヒット。今回もファンからの「早く観たい!」などの書き込みも多く、期待値の高さをうかがわせるが、その一方で「『日本以外全部沈没』もドラマ化してほしい」なんて声も。

 実は、この作品は筒井康隆が1973年に発表した日本沈没のパロディ小説。沈むのは日本ではなく、日本列島を除いた全世界という内容だが、それによって右往左往する外国人たちが面白おかしく描かれた日本沈没以上にぶっ飛んだ作品だ。

「無名の作家や同人誌などでパロディ小説を発表するならともかく、筒井康隆は小松左京と並ぶ3大SF作家のひとり。それほどの売れっ子作家がここまで堂々のパロディ小説を発表するのは文学界でも異例のことです。全体的にシアリスな日本沈没と違ってユーモアたっぷりの内容ですが、かなり面白いです」(文芸評論家)

 ただし、日本以外全部沈没が映像化されたのは、2006年に公開された映画のみ。大手配給会社の作品ではなく大ヒットしたわけではないが、映画ファンの間ではカルト的な人気のある作品として知られている。

「仮にドラマ化するにしても日曜劇場で扱うようなタイプの作品じゃないと思いますが、最近勢いのあるテレ東あたりの深夜ドラマの枠なら結構人気になったかもしれません。もしこの秋からの同じクールで放送していれば、相乗効果で今よりもっと話題になっていたと思いますけどね」(芸能ジャーナリスト)

 そこまで言われると余計に気になってしまう日本以外全部沈没。いつかドラマ版も観てみたいものだ。

エンタメ