救援陣の崩壊よりも深刻? 岡田監督ガンコに「捕手2人体制」のツケ

 6月21日、甲子園球場でわれた全体練習後、阪神・岡田彰布監督がドラフト1位ルーキー・森下翔太の一軍昇格を明言した。23日から再開されるペナントレースからの出場登録となりそうだが、補強するのは「外野手」だけで大丈夫なのか、ちょっと心配だ。

「森下が降格となったのは、9日。それ以来の1軍復帰となります」(在阪メディア)

 昇格する森下について、岡田監督は「今回が一番ええと思う」と期待を寄せている。しかし9日にはもう1人、降格した選手がいた。

 9日、森下とともに二軍再調整を命じられたのは、捕手の中川勇斗。以後、岡田監督は梅野隆太郎、坂本誠志郎の「2人捕手体制」を続けてきた。今のところ、この2人体制を変えるつもりはないという。

「岡田監督はこの投手は梅野、あの投手は坂本と決めてスタメンマスクを任せてきました。先発投手との適正で梅野か坂本かを決め、そのまま1試合を任せるような起用法です。本来は、1人の捕手でシーズンを乗り切るのが理想と考えていますが…」(球界関係者)

 梅野は青柳晃洋、西勇輝らと組んできた。両投手とも今季は不振だ。これに対し坂本は、好調な大竹耕太郎、村上頌樹らと組む。梅野は自身の打撃不振も重なって厳しい立場に置かれたこともあった。

 両捕手ともレギュラーを張る力は持っているが、捕手はケガのリスクがもっとも多いポジションだ。試合中に何かあった場合、もう一方の捕手が緊急出場となるわけだが、問題はその後。アクシデントが続いた場合や、得点好機で捕手の打順がまわってきたときに代打攻勢が仕掛けられなくなる。「2人のまま」とする岡田監督のメンバー編成には批判の声も出てきそうだ。

「有事の際は原口文仁がマスクをかぶるのでは。その原口を代打で出場させた後のことは分かりませんが」(同前)

 交流戦で負け越し、岡田監督はチームの立て直しを急いでいる。「捕手2人体制」、つまり試合中のアクシデントの有無がポイントになりそうだ。

(飯山満/スポーツライター)

スポーツ