田端 では、ローカル3場の狙い方にいきましょう。まず新潟ですが、芝の外回りコースの直線は日本でいちばん長く、トニービンの血を持つ馬が強い。
亀谷 種牡馬で言えば、ルーラーシップ、ハーツクライ、ジャングルポケット、カンパニーなどですね。
田端 はい。その中で私が特に注目するのは、ルーラーシップ産駒。これまでもキセキ(菊花賞)やグロンディオーズが夏の新潟芝2000メートルの特別戦を勝って菊花賞へ向かった。
亀谷 今年の新潟大賞典(芝2000メートル)も同産駒のメールドグラースが勝ちましたしね。あと、同産駒の特徴として、3歳馬は腰に力がついてくると、そこからまた一段と強くなる。キセキも最初は差し馬だったけど、成長してから先行できるようになりました。
田端 そうだね。だから、この時期から上昇する3歳馬や4歳馬の同産駒を芝1600メートルや2000メートルで狙いたい。内回りだけど芝2200メートルでもいいと思う。
亀谷 7月30日にディープインパクトは亡くなってしまいましたが、僕が狙いたいのは、そのディープインパクト産駒の牝馬です。そもそもディープ産駒の古馬は、牝馬のほうが走るんです。GⅠを2勝しているのも牝馬だけですし、「夏は牝馬が強い」ですからね。
田端 確かに。簡単でいいね。昨年の関屋記念もディープ産駒の牝馬プリモシーンが勝った。
亀谷 その時はディープ産駒が5頭いて、うち牝馬が3頭。その牝馬3頭で1〜3着しましたから(2着ワントゥワン、3着エイシンティンクル)。
─今年は、オールフォーラヴ、サラキア、ディメンシオン、フローレスマジックが該当します。
亀谷 「ディープ牝馬は夏の新潟で優秀」なので狙い目ですね。あと、「ハーツクライ産駒は新潟で好走する」というのもあります。
田端 ハーツクライの母アイリッシュダンスは、夏の新潟芝1600メートル(条件戦)を連勝した翌年、新潟大賞典と新潟記念(ともに芝2000メートル)を勝っている。
亀谷 実に簡単な狙い方ですけど、実際、結果が出ていますからね。
田端到(たばた・いたる)62年生まれ。競馬ライター、コラムニスト。血統とデータ分析で「血統馬券術」というジャンルを築き、第一人者として活躍中。97年から月刊誌「サラブレ」で「金満血統王国」、スポーツ紙「日刊スポーツ」(日曜版)で「田端到の血論」を連載中。近著に「金満血統王国年鑑for 2019」(KADOKAWA)、「王様・田端到の『マジか!』の血統馬券術」(東邦出版)など。
亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、ネットなどでカリスマ的人気の若手血統馬券師。「競馬放送局」では最終見解、勝負レースを公開。自身がプロデュースする「無料血統出馬表」(スマート出馬表)も大好評で、今回の対談収録を行った「亀谷競馬サロン」(東京都・水道橋)では、実際に亀谷氏と交流しながら予想を楽しむこともできる。「亀谷HP」http://k-beam.com/