三菱UFJ銀行が10月2日から、店頭窓口やATMからの振込手数料を改定することを発表した。
他行あての振込手数料は店頭窓口では今は3万円未満が594円、3万円以上の場合は770円。これが一律990円へ値上げになる。また、ATMで現金を振り込む場合は3万円未満が374円、3万円以上は550円。これが一律880円に大幅値上げ。三菱UFJ銀行のキャッシュカードで振り込む場合は3万円未満が209円、3万円以上は330円だったが、一律275円に改定される。
ただし、ネットバンキングの場合、3万円未満は154円、3万円以上は220円と据え置かれる。
東京三菱UFJ銀行あてでも、店頭窓口では一律880円、現金なら550円と大幅に値上げ、カードからは110円となるが、ネットバンキングで振り込むなら何回でも無料だ。
利用者にとって、これだけ差額があるのなら、ネットバンキングに移行するのが賢明だろう。
ちなみに私は、もう数年前から振り込みに関してはすべてネットバンキングに移行している。銀行に行く手間もかからず、自宅でゆっくり確認しながら24時間いつでも手続きができる。そして、できるだけ手数料を無料にしたいからだ。
三菱UFJ銀行の本支店口座への振り込みはネットバンキング経由で手続きをしているので、いつでも無料だ。三菱UFJ銀行は日本の大手都市銀行の中で最も口座数の多い銀行の一つ。振込指定先に三菱UFJ銀行を指定されることが多いので大変便利だ。
こう書くと「そりゃ佐藤、間違ってるだろう。いちばん多い支店を持っているのは、ゆうちょ銀行のはずだ」と思う人もいるはずだ。そのとおり。ゆうちょ銀行は都市銀行ではないが、日本全国あまねく支店を持つ唯一の金融機関と言っていい。そして私は、ゆうちょ銀行の支払いも、ゆうちょ銀行のネットバンキングで行っている。
その理由は、ネットバンキングで他のゆうちょ銀行に振り込む場合、月に5回までは手数料が無料だからだ。なので振込先に三菱UFJ銀行を指定された場合と、ゆうちょ銀行を指定された場合は、それぞれのネットバンキングを使い分けている。
最初の設定は面倒だが、使い方がわからないという方は、今の若い人ならネットバンキングの設定など簡単にやってくれる。パスワードだけは自分だけ知るようにして手伝ってもらえばいい。食事や酒でもおごるか、小遣いをあげれば喜んでやってくれるはずだ。
いずれにせよ、横並び意識の強い日本だけに、三菱UFJ銀行以外の銀行も追随するだろう。それが時代の流れなのだ。
もちろん、ゆうちょ銀行や三菱UFJ銀行以外への支払いの場合もある。その時に画期的なものがある。スマホアプリを活用した「ことら」という個人向け送金サービスだ。
現在は49行（4月19日公表時点）が対応しているが、さらに182行が準備中だという。これは10万円以下の個人間の送金が無料で行えるというもの。例えば三井住友銀行の口座からみずほ銀行にお金を送る。そんな場合も手数料無料で送れるのだ。
この「ことら送金」の便利なことは、お金を送る側と受け取る側がどちらもこのアプリを持っていれば、携帯電話番号だけでお金を送ることができることだ。例えば飲み会などで割り勘をする時、スマホでサクッとお金を送ることも可能。割り勘で1人4320円という時、10円単位のお金のやり取りをするのは面倒極まりない。それがスマホで簡単に決済できるのだ。
ただし私なんかは酔っ払ってしまうと、4320円なのに4万3200円と間違った金額を送ったり、それどころか、間違った電話番号に送ってしまうという悲劇も起こりかねないね。悩むところだなぁ。
佐藤治彦（さとう・はるひこ）経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。著書「素人はボロ儲けを狙うのはおやめなさい 安心・安全・確実な投資の教科書」（扶桑社）ほか多数。
