大坂なおみがドジャース対エンゼルスの始球式を務めたのは現地時間の7月24日。日本文化の紹介や観光促進のための恒例行事であり、大坂が登場するのと同時にスタンドは大いに盛り上がった。だが、彼女が今抱えている問題も同時に浮き彫りになったようだ。
「大坂はすぐに自身のブログをアップし、『緊張した』と書き込みました。大坂らしいといえば大坂らしいのですが、仮にも世界の頂点に立ったプロテニスプレーヤーとしては少々弱気な感じがしましたね」(体育協会詰め記者)
慣れないスタジアムで慣れない投球をするのだから、緊張するのはやむを得ないかもしれない。だが、最近の大坂は本業のテニスにおいても感情のコントロールに苦慮していると、周囲は心配している。
「第2シードで出場したウィンブルドンで、まさかの初戦敗退。その結果も予想外でしたが、試合後の会見もままならず、自ら退席を申し出たことにも驚きました」(同前)
優勝候補、上位進出は堅いと見られていただけに、ショックが大きかったのだろう。このことからも、「環境を変えるべき」との声が高まっている。
周囲が心配しているのは、大坂とその父親との“距離感”だ。大坂はもともと無口なタイプだった。しかし、先に解任された癒し系コーチのサーシャ・バイン氏と組むなり、「こんなに喋るの?」と周囲も驚くくらい明るくなった。サーシャ氏の解任の是非を蒸し返すつもりはないが、彼と袂を分かった現在の大坂は、また無口なタイプに戻ってしまったそうだ。
「大坂を支えるスタッフの中に、実父がいます。彼は大坂の幼少時のコーチに裁判を起こされるなど脇の甘さを指摘されており、サーシャ氏の解任にも関わっていたとされています。父親が急にツアーに帯同し、周囲にも意見するようになり、スタッフの雰囲気がガラリと変わったとも…」(関係者)
だが、負けが込んでいるときに、家族を引き離すようなことになれば、かえって「大坂を苦しめるだけ」との意見もある。
大坂のテニス人生のスタートは父親だった。父親を頼りに思う気持ちはよくわかる。しかし、父親の存在が精神的な逃げ場になって、ブルーな言動にもつながっているようにも思える。親離れの時期がきたのか?
(スポーツライター・飯山満)