大坂なおみも? 全盛期に引退したアスリートたち

 テニス全仏オープンの会見拒否による激しいバッシング、その後うつ病を告白し、大会を棄権した大坂なおみ選手。出場が予定されている東京五輪には参戦の意向を示しているが、70~80年代に活躍した男子テニスのスター選手、ジョン・マッケンロー氏は、「なおみに何が起こるかは誰にもわからないが、このままテニスを続けられなくなる危険性もある」と最悪引退の可能性もありうるとコメント。

 実は、過去にテニス界では、4大大会11勝の記録を持つ元世界ランキング1位のビヨン・ボルグが26歳の若さで引退している。その理由は不明だが、燃え尽き症候群とも深刻なメンタル不調だったとも言われている。

「若くして頂点に立つと新たな目標を設定するのが難しく、モチベーションの維持が大変です。それに常にメディアから追われ、彼女の心はすでに悲鳴を上げています」

 そう指摘するのはスポーツジャーナリスト。実際に、理由は人それぞれだが日本人アスリートでも全盛期に引退した者は少なくない。

 06年ドイツW杯終了後に29歳(当時)の若さで引退した元サッカー日本代表の中田英寿、同じ年には宣言通りに北海道日本ハムを日本一にした新庄剛志も34歳で引退。個人としてもこの年のゴールデングラブ賞に輝き、見事に有終の美を飾っている。

 また、ボクシングの長谷川穂積は全盛期を過ぎてはいたものの、16年にバンダム、フェザーに続き、WBC世界スーパーバンダム級のタイトルを獲得、そのまま3階級王者として引退している。さらに日本人初のK-1 WORLD MAX世界王者になるなど00年代の格闘技界のアイコン的な存在だった魔裟斗も30歳で第一線を退いている。

 ほかにも先日閉幕したラグビーのトップリーグでは、医師を目指すために今シーズンでの引退を表明していた元日本代表の福岡堅樹がシーズンMVPを受賞。

「彼らは周りから早いと言われても競技生活をやりきった人たち。それに対して大坂選手はすでに世界のトップですがプレイヤーとしてのピークはこれからというのが専門家の意見です。まだ全盛期ですらないのにコートを離れるには早すぎます」(前出・ジャーナリスト)

 引退説を払拭するためにも1日も早く元気な姿を見せてほしいものだ。

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