「モーニングショー」で戦慄発言「カラスが全部死んでくれればいい」の真意

「カラスが全部死んでくれればいい」

 朝から何やら不穏なワードが飛び出し、戦慄を覚えた視聴者は少なからずいたようだ。

 4月4日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」で特集したのは卵の高騰問題。「物価の優等生」と言われた卵の価格がこの4年で3倍に上がったとして、卵の生産や流通に詳しい東京農業大学元教授の信岡誠治氏を解説者に招いて、パネル解説が行われた。

「今後の卵の価格について信岡元教授は、これから1年以上は上がり続ける可能性を指摘。その大きな理由は、まだ鳥インフルエンザが収束していないこと。すでに日本では昨年10月以降、1700万羽以上が殺処分されていますが、鳥インフルエンザは世界的に流行しているため、今後、日本でもウイルスの脅威にさらされるとのこと。長年、養鶏を研究してきた信岡元教授だけに、コメントは的確でいろいろと勉強になる放送回でした」(メディア誌ライター)

 番組の後半では、視聴者から番組に寄せられた質問を紹介した。そのひとつが、鳥インフルエンザの感染ルートに関連したものだった。

「鳥インフルエンザの質問です。そもそも鳥インフルエンザはどこから来るのですか? 鶏舎に入ることを防げないのはどうしてですか? 防ぐ方法はないのですか?」

 この質問に、信岡氏は次のように答えた。

「鳥インフルエンザそのものは野鳥、特に鴨とかアヒルとか、白鳥とか、そういった鳥が運んできます。それが日本にずっといるカラスとか野鳥に感染させて…。(感染した)カラスが全部死んでくれればいいんですけど、そうはいかなくて。ウイルス持ったまま、そのへんを飛び回ってます。それが感染のいちばん大きなルートで…」

 番組コメンテーターの玉川徹氏がすぐさま「カラスが鶏舎に入ってくるということですか?」と尋ねると、信岡氏は「そうじゃなくて、カラスは糞をします。その糞の中にウイルスがたくさんいます。それをゴキブリとかネズミとか、あるいはそのまま乾燥して、ほこりで(風に運ばれて)入ってくるんです」と答え、ウイルス対策について「完璧な方法は見つかっていません」「世界中同じです」と深刻さを伝えていた。

「確かに『全部死んでくれればいい』という発言はかなりのインパクト。感染したカラスが他の鳥に移す前にという意味でしたが、ネット上では《朝からゾッとした》《カラスにも命はある》などとリアクションが続々。しかしこれまで1700万羽以上のニワトリが殺処分されたことを考えれば、感染ルートであるカラスを排除したいという思いは当然かもしれません」(ネットライター)

 いずれにしても鳥インフルエンザはまだまだ感染が続きそう。カラスが日本にいる限り、これからも卵価格の上昇は続きそうだ。

(石川ともこ)

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