コロナウイルスの恐怖を煽れば煽るほど数字が取れる!? 21年の年間平均視聴率が2ケタに達し、5年連続で民放トップをひた走るのが「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)だ。
「元厚労省医系技官で医師の木村盛世氏も自身の著書で疑問をていしていますが、ワイドショーでは感染者の数ばかりを取り上げて、コロナの脅威を大げさに伝えるのが常とう手段。その象徴とも言うべき存在が『モーニングショー』で、木村氏は番組関係者が『ガンガン煽ってガンガン行きましょう』という趣旨の発言をしたと明かしています」(キー局関係者)
同番組はほぼ毎日、コロナ関連の話題に多くの時間を割いているが、感染者を水増しして報道してしまったことで、さすがに謝罪をするしかなかったようだ。
1月10日放送回では沖縄米軍基地の新規感染者が429人にのぼり、3日連続で過去最高を更新していると伝え、岸田文雄総理の「不要な外出は認めないことで大筋合意するところまで来た」というコメントを紹介していたのだが…。
その後、別の話題へと移ろうとした時、メインキャスターの羽鳥慎一が「ここで訂正です」と切り出すと、「先週、木曜日の放送で、神奈川県のキャンプ座間の去年の12月29日から今年の1月5日までの感染者数、422人とお伝えしたんですけれど、正しくは14人です。大変失礼いたしました」と述べて頭を下げた。
これにはネット上でも《14人と422人を間違えるってマジか》《誤差レベルじゃすまされないミス》《そんなに煽って数字が欲しいか》《煽るのもいい加減にしてほしい》といった批判が噴出する事態となった。
「この日は謝罪の前にも、『東京1200人超』という感染者数を取り上げ、『超高速の拡大』と煽りに煽っていました。さらにコメンテーターの玉川徹氏は独自の試算で2週間後のコロナ感染者を予測し、なんと2万人以上に達するとの私見を述べていました。2万人といえば、第5波の約4倍。オミクロン株は比較的、重症化率が低いと言われていますが、玉川氏によれば、『重症化率は3分の1でも感染者数が3倍になれば重傷者の数は一緒』『オミクロン株のほうが厄介』といった趣旨の発言で、恐怖心を煽っているように見えました」(テレビ誌ライター)
数字のインパクトで視聴率アップを図るのは結構だが、報道番組としての信頼も大切にしてほしいところだ。