現役ドラフト移籍選手の活躍で12球団に新たな問題が発覚

 オープン戦最終試合でDeNA・笠原祥太郎投手が「5回被安打4失点2」と“結果”を出し、先発ローテーション入りを果たした。

「笠原はキャンプから徐々に調子を上げ、『もしかしたら?』の声も出ていたんです。でも、3月26日のオープン戦最終試合以外の登板はファーム戦ばかり。ラストチャンスで一軍でも通用することを証明できました」(スポーツ紙記者)

 笠原は昨年オフの「現役ドラフト」で中日から移籍してきた。

 現役ドラフトといえば、楽天から巨人に移籍したオコエ瑠偉、中日入りした前DeNAの細川成也、前ソフトバンクの阪神・大竹耕太郎ら、新天地での活躍が伝えられている。

「昨年は初めてということで、どの球団も現役ドラフトに慎重でした。だから、全球団が1人だけの指名で切り上げてしまったんですが、2回目の今年は2巡目以降の指名も見られそうですね」(同前)

 しかし、現役ドラフトの話を球団スタッフやNPB関係者にぶつけてみると、意外な意見が返ってきた。「学生、アマチュア選手を指名する本来のドラフト会議にもルール改定が必要なのでは?」というのだ。どういうことか?

「ドラフト指名前には、対象選手に面談を申し入れ、限られた時間で球団の育成システムなどを伝えることもあります。でも、面談の目的は対象選手の性格を知ることなんです。ハッキリ言って、面談してみてこの子はウチの球団の雰囲気に合わないと分かって、指名から下りたこともありました」(某球団スタッフ)

 球団によって、上下関係の厳しい体育会系のところもあれば、そうでないところもある。コーチがイチから教える球団もあれば、選手が気づくまで放任とするチームもある。しかし現行ルールでは、スカウトが練習所を訪ねても選手に話しかけることは原則として許されていない。

 そのため、指名前の面談が重要となってくるが、対象選手のほうも緊張してしまい、うまく話せないこともあるという。結果、性格面を見誤って“ミスマッチ”につながったりも…。

 ドラフト会議のルールが改定されれば、そうした失敗も減っていくだろう。もっとも、学生・アマチュアの野球組織が「ノー」といえばそれまでだが。

 移籍組の活躍はグラウンド外にも影響を与えそうだ。

(飯山満/スポーツライター)

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