列島が揺れた!沸いた!歓喜した! 準々決勝・大谷のドーム看板直撃3ラン、準決勝・吉田の起死回生同点3ラン&村神様の覚醒サヨナラ打、そして決勝ではリリーフ大谷が魂のスライダーで空振り三振フィニッシュ! まさに名場面満載で閉幕したWBC。14年ぶりV奪還を果たした名将・栗山監督を大解剖!
「本当に最高のWBCだった。日本のそうそうたる選手が集結して、世界の強豪チームに打ち勝った。このメンバーのままなら日本一、いやいやメジャーリーグの1球団になっても優勝争いできるぐらい凄いチームでした」
興奮冷めやらぬ様子で語るのは、野球評論家の角盈男氏だ。トップ選手が集結した侍ジャパンを手放しで評価する。
「投手目線で言えば、メジャーの選手相手にも効果的な落ちる球を持っているピッチャーをそろえたことが成功だった。今回のWBCであらためて日本投手はワンランク上、レベルの高いことを実感しました。戦い終えてみると、外国の投手は交代するたびに格落ちしたが、日本は先発から中継ぎに代わってもまったく遜色なかった」(角氏)
日本のWBC戦績は06年、09年と2連覇したものの、その後13年(3位)、17年(3位)と優勝から遠ざかっていた。
今回はメジャーリーガー4人を含むトップ選手を招集して「侍ジャパン」を結集、チーム一丸で戦いV奪還を果たしたのだ。今や、その指揮を執る栗山英樹監督(61)の評価は、いやが上にも高まる一方なのだ。
スポーツ紙野球担当デスクが振り返る。
「選手の招集は、メジャーでの実績、国際大会の経験がある選手を中心に行われました。その結果、4人のメジャーリーガーを含むスター選手を招集できたのが、栗山監督の最大の功績です。WBCでは親が日本国籍を持っていれば出場資格があるため、早くから日系人メジャー選手を複数リストアップし、最終的に日本では無名ながら中距離打を打てるラーズ・ヌートバー(25)を一本釣りした。しかし、メジャーでの打撃成績がそれほど高くないとし、一部評論家からは『ヌートバー不要論』が巻き上がり、栗山監督はかなり落ち込んだそうです」
それでも1次ラウンドでは切り込み隊長として八面六臂の大活躍、塁上でのパフォーマンスで日本ファンに〝ペッパーミル〟旋風を巻き起こしたのだから栗山監督の千里眼ぶりに批判した評論家は脱帽するしかないだろう。
「歴代のWBC監督である、第1回王貞治(82)、第2回原辰徳(64)、第3回山本浩二(76)、第4回小久保裕紀(51)と比べても、栗山監督の現役時代の成績はいかにも見劣りする。また、12年から10年間監督を務めた日ハムでの成績は2度のリーグ優勝、16年には日本一にも輝いているが、最後は3年連続5位、Bクラスという成績不振で辞任している。それでも、代表監督に起用されたのは、二刀流の生みの親である栗山監督が就任すれば、漏れなくセットで大谷翔平(28)がついてくる。投打の軸になる大谷の招聘がスムーズに進めば盛り上がるし、興行的にも期待できる。そんな判断があったことは否めない」(スポーツ紙野球担当デスク)
実際、この二刀流親子を軸にした侍ジャパンのチーム編成が功を奏し、世界制覇を達成しただけに、これぞ名采配と言えるだろう。
(つづく)