製薬会社の龍角散は、「龍角散ののどすっきり飴」シリーズの品薄状態が続いていることを謝罪した。同社によると中国でコロナの症状に効くという情報が広がり、日本で買い占めの動きが起きていることなどが原因というが、花粉シーズンがピークを迎える今、花粉症患者から悲鳴の声もあがっている。
2月10日、同社は公式サイトに「お知らせ」を掲載。コロナ治癒後の喉の痛みのために購入する人の増加や、中国のゼロコロナ政策の転換で感染者が急増したことにより、「のどすっきり飴」やタブレット各種の需要が急激に拡大し品薄状態になっていることを報告し謝罪した。
ただ、同シリーズの品薄が続いている最も大きな要因は、中国人による買い占めだろう。もともと龍角散は中国で「神薬」と呼ばれ、喉の痛みなどに効果があると人気の商品になっていた。それに加え、ゼロコロナ政策転換以降は中国のSNSで「コロナにも効果がある」という情報が拡散したことから、中国国内では偽物が出回るほど購入希望者が殺到しているのだ。
「一方で3月には花粉の飛散がピークを迎えるため、喉のイガイガに龍角散で対応していたという花粉症の人にとっては本当に痛い。龍角散以外にも、中国では日本の医薬品は信頼性が高いとの評判で、風邪薬や咳止め、解熱剤なども爆買いされ、一部ドラッグストアなどでは品薄状態となっています。中国へ転売するために買い占めする転売ヤーもいるようで、こうした事態には国が対処してほしいものです」(フリージャーナリスト)
今後も何かにつけ中国人の爆買いが問題視されるだろう。
(小林洋三)