「FOREVER21」が日本再々上陸も「2度あることは3度…」危うい評判

 日本から撤退していたファッションブランド「FOREVER21」が2月21日、ECサイトと東京・渋谷での期間限定ポップアップストアをオープンさせ、3年ぶりの日本再上陸を果たした。新生FOREVER21は脱ファストファッションを掲げているが、ネット上には「安くないなら意味ない」といった厳しい意見も寄せられている。

「FOREVER21は2009年に東京・原宿に日本1号店をオープンさせると連日のように店の前には行列ができ、開店2カ月で来客数が100万人を超えるなどファストファッションブームを巻き起こしました。デニムが1000円台で購入できるなど安い商品を大量生産して大量廃棄していましたが、環境意識の高まりとともに次第に人気は低迷。19年に本国アメリカで米連邦破産法11条の適用を申請すると、日本からも撤退していました」(ファッションライター)

 今回の再上陸では伊藤忠商事がブランドの国内ライセンスを取得し、「ニコアンド」や「グローバルワーク」を手掛けるアダストリアとパートナーを組んで展開していくという。新たに発表された120商品のうち約8割はサイズやデザインを日本人に合わせ独自に開発したものを国内で生産。1点あたりの価格の平均は4000円を想定しているといい、安さよりも品質を重視した商品を提供していく。

「FOREVER21といえばファストファッションの代名詞的存在で、安さが何よりの魅力でしたからね。日本人向けの品質重視と言われても没個性的ですし、かつてのファンには戸惑っている人も少なくないようです。この路線を続けるのであれば、『FOREVER21の皮を被ったニコアンド』などと揶揄されないように、特徴をしっかりと打ち出していってほしいですね」(前出・ファンションライター)

 ちなみにFOREVER21の日本での展開は3回目。2000年に初上陸したときは、わずか1年で日本から撤退していた。「2度あることは3度ある」にならないことを願うばかりだ。

(小林洋三)

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