立浪竜に新スター誕生!? ベテラン投手も一目置く「高卒ルーキー捕手」

 こちらの高卒捕手も頑張っているようだ。

 今春の中日キャンプは新人4選手が一軍スタートとなった。ドラフト2位・村松開人内野手のように、大学、社会人出身の新人が一軍キャンプに参加するのはよくある話だが、この4選手のなかには“高校卒選手”もいる。

「キャンプでもっとも厳しいノルマを課されるのがキャッチャーです。サインを覚えるだけでなく、先輩投手たちのボールを捕り、それぞれのクセもインプットしなければなりません」(ベテラン記者)

 捕球など技術的にも、プロと学生では大きな差があるという。しかし、ドラフト4位・山浅龍之介(聖光学院)は、ここまでそつなく全てをこなしてきた。

「高卒の新人捕手でいえば、DeNAのドラ1・松尾汐恩(大阪桐蔭)のほうが知名度では上。でも、肩の強さやスローイングの正確性では山浅のほうを評価するスカウトも多かった」(学生野球担当記者)

 キャンプ序盤でのことだ。山浅はブルペンでベテラン・涌井秀章のボールを受けたが、構えたミットは捕球まで微塵も動かなかった。涌井のコントロールの良さもあるが、涌井もその捕球技術に満足そうな表情を見せていた。

「守備練習のときのボール回しを見ていると、木下、加藤よりも肩が強いのではないかと思えるほどです。配球などはこれから勉強しなければなりませんが」(現地メディア)

 山浅の早期一軍入りを薦めたのが、担当スカウトの小山良男氏。小山スカウトは元捕手で、横浜高校時代は松坂大輔のボールを受けており、昨夏の甲子園大会4強に導いた山浅に“感じるもの”があったのかもしれない。

「小山スカウトは指名あいさつの時点で球団に『一軍キャンプ抜擢』の話をしていました。立浪監督も楽しみにしていた新人の一人です」(球界関係者)

 昨シーズンは千葉ロッテの松川虎生捕手が76試合に出場し、ファンを驚かせた。一般論として、高卒捕手は二軍で勉強となるケースが多い。プロ野球の捕手は「明日の先発投手の得意球を活かすこと」も念頭に入れて、配球を組み立てる。スコアラーがあげてきた対戦チームのデータ資料もインプットしなければならない。高卒捕手が一軍定着まで時間がかかるとされるのはそのためだ。

「好投手が好捕手を育てるとも言います。大野雄大、涌井らもおり、今の中日は山浅を育てるにはもってこいの環境です」(同前)

 山浅も数少ない早期の一軍出場を果たす可能性が出てきた。

(飯山満/スポーツライター)

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